「XSR900は速すぎる」——バイク選びで候補に入れた人なら、一度はこの声を見かけたのではないでしょうか。水冷並列3気筒888cc、最高出力120PS、車両重量193kg。数字だけ見ると確かにパワフルですが、本当に手に負えないバイクなのかというと、話はそう単純ではありません。この記事では、XSR900が「速すぎ」と言われる具体的な理由をスペックから分解し、同クラスのライバル車との比較、電子制御の活用法、街乗りやツーリングでの乗りこなし方まで徹底的に掘り下げます。結論を先に言えば、XSR900の速さは「怖い速さ」ではなく「コントロールできる速さ」です。読み終わるころには、速すぎるという不安が具体的な判断材料に変わっているはずです。
・XSR900が「速すぎ」と言われる3つの具体的な理由
・同排気量クラスとのパワーウェイトレシオ比較
・電子制御(YRC・トラクションコントロール)で速さを味方にする方法
・街乗り・ツーリング・高速道路それぞれでの乗りこなしポイント
\しっかり守るエンジンガードが好評/
XSR900が「速すぎ」と言われる3つの理由|スペックから読み解く真相

120PS×193kgのパワーウェイトレシオが生む異次元の加速
XSR900の「速すぎ」評価の最大の根拠は、パワーウェイトレシオにあります。最高出力120PS(88kW)/10,000rpmに対して車両重量は193kg。単純計算でパワーウェイトレシオは約1.61kg/PSとなり、これはスーパースポーツに迫る数値です。同じネオクラシックカテゴリのカワサキZ900RS(111PS/215kg=約1.94kg/PS)と比べると、加速力の差は明確です。街乗りで信号ダッシュをしたときや、高速道路の合流でスロットルを開けたときに「思った以上に前に出る」感覚が、速すぎるという印象につながっています。ただし、この加速はスロットル全開時の話であって、普段の走行では右手の開け方次第でいくらでもコントロールできます。
CP3エンジン特有のトルクの出方が「速い」と感じさせる
XSR900に搭載されるCP3エンジン(水冷並列3気筒888cc)の最大トルクは93Nm/7,000rpm。注目すべきは、4,000rpm付近からすでに80Nm以上のトルクが立ち上がる点です。4気筒エンジンのように高回転まで回さなくても力強い加速が得られるため、日常域でも「速い」と体感しやすい特性を持っています。2気筒のようなドコドコ感とも、4気筒のような高回転の伸びとも違う、3気筒ならではの中間トルクの厚さが「速すぎ」という声の背景にあります。逆に言えば、6速2,000〜3,000rpmで流すような走り方をすれば穏やかそのもの。エンジン特性を理解すれば、速さの印象は大きく変わります。
軽量アルミフレームと短いホイールベースが加速感を増幅する
XSR900のフレームはCFアルミダイキャスト製で、フレーム単体重量は約12kg。ホイールベースは1,500mmと、同クラスのZ900RS(1,470mm)やCB650R(1,450mm)と比較しても標準的ですが、スイングアームの剛性バランスとキャスター角25°の組み合わせにより、加速時にフロントが軽くなる感覚が生まれやすい設計です。この「前が浮き上がるような加速感」が、実際の速度以上に速く感じさせる要因です。特にBモード(パワーモード:フル)で1速・2速を使ったときにこの傾向が顕著で、慣れないうちはスロットルを開けすぎてフロントが浮く経験をする人もいます。ただし、これはアクセルワークの問題であり、バイク自体が危険なわけではありません。
| 車名 | ヤマハ XSR900(2025年モデル・8BL-RN80J) |
| エンジン | 水冷4ストローク並列3気筒 888cc |
| 最高出力 | 120PS(88kW)/ 10,000rpm |
| 最大トルク | 93Nm / 7,000rpm |
| 車両重量 | 193kg |
| シート高 | 810mm |
| 燃料タンク | 14L |
| メーカー希望小売価格 | 1,210,000円(税込) |
XSR900の速すぎるパワーを数値で検証|同クラスとのスペック比較
ネオクラシック3車種のパワーウェイトレシオを並べてみた
「速すぎ」という声を客観的に検証するために、同価格帯のネオクラシックモデルとスペックを比較します。XSR900(120PS/193kg)のパワーウェイトレシオ1.61kg/PSに対して、Z900RS(111PS/215kg)は1.94kg/PS、SV650X(72.1PS/199kg)は2.76kg/PSです。数字で見ると、XSR900はZ900RSより約17%パワフルで、SV650Xと比較すると約42%もの差があります。ただし、パワーウェイトレシオだけがすべてではありません。Z900RSは4気筒の滑らかさ、SV650XはVツインの鼓動感と、それぞれ別の魅力を持っています。速さを最優先にするならXSR900ですが、「速すぎて困る」かどうかは乗り方と電子制御の使い方次第です。
| 比較項目 | XSR900 | Z900RS | SV650X |
|---|---|---|---|
| エンジン | 並列3気筒 888cc | 並列4気筒 948cc | V型2気筒 645cc |
| 最高出力 | 120PS | 111PS | 72.1PS |
| 最大トルク | 93Nm | 98.5Nm | 63.6Nm |
| 車両重量 | 193kg | 215kg | 199kg |
| パワーウェイトレシオ | 1.61kg/PS | 1.94kg/PS | 2.76kg/PS |
| 価格(税込) | 1,210,000円 | 1,430,000円 | 814,000円 |
0-100km/h加速と最高速で見るXSR900の実力
XSR900の0-100km/h加速は、各種テストデータによると約3.2〜3.5秒とされています。これはスーパースポーツのYZF-R7(約3.5秒)と同等かそれ以上の数値で、ネオクラシックとしては突出した加速性能です。最高速度についてはメーカー公表値はありませんが、ユーザーの実測報告では180km/h前後がリミッター作動域とされています。日本の公道では法定速度120km/hが上限なので、最高速が問題になる場面はまずありません。むしろ注目すべきは中間加速で、6速80km/hからスロットルを開けたときの追い越し加速の余裕は、高速道路での安全マージンに直結します。この「余裕のある速さ」こそがXSR900の本質です。
意外と知られていない「3気筒の速さ」の正体
実は、XSR900の速さの秘密は馬力やトルクの数値だけでは語れません。CP3エンジンの3気筒は、2気筒と4気筒のいいとこ取りと言われますが、加速性能に関しては「トルクバンドの広さ」がポイントです。4気筒エンジンは高回転域でパワーが集中しやすく、ギアチェンジの合間にパワーの谷が生まれがち。一方、XSR900のCP3は4,000〜10,000rpmという広い範囲で安定したトルクを発生するため、どのギアでもスロットルを開ければ即座に加速できます。この「どこからでも速い」特性が、4気筒の同馬力車よりも体感的に速く感じさせる理由です。街乗りで2速・3速を多用する場面では、この差がはっきり体感できます。
XSR900が速すぎて怖い?初心者・中級者が感じる3つの壁

1速・2速でのスロットルレスポンスが過敏に感じる問題
XSR900で「速すぎて怖い」と感じる場面の筆頭が、低速ギアでのスロットルレスポンスです。1速のギアレシオは2.666、2速は1.933で、1速でスロットルを1/4開けただけでも後輪に伝わる駆動力はかなりのもの。特にBモード(フルパワー)ではスロットル開度に対するレスポンスがリニアなため、250ccクラスから乗り換えた人はまず驚きます。対策としては、後述するパワーモードをAモード(ソフト)に設定すること。スロットル開度に対する出力特性が穏やかになり、同じ操作量でもレスポンスがマイルドになります。まずはAモードで車体に慣れ、物足りなくなったらBモードに切り替えるのが安全なステップアップ方法です。
車体が軽いゆえにフロントの接地感が薄い場面がある
193kgという軽さはメリットでもありますが、加速時にフロントの荷重が抜けやすいというデメリットにもなります。特に2速で全開加速するとフロントがわずかに浮く感覚があり、ハンドルから伝わる接地感が薄れます。この現象自体は危険ではありませんが、経験の浅いライダーにとっては不安材料になりがちです。対策はシンプルで、加速時に上半身を前傾させてハンドルに体重をかけること。それだけでフロントの接地感は格段に改善します。また、フロントのプリロードを標準よりやや強めに設定することで、加速時のノーズアップを抑えることもできます。純正サスペンションでもプリロード調整は可能なので、納車時に販売店で相談してみてください。
XSR900に乗り換えた直後にBモード(フルパワー)で走り出し、交差点の右折で思った以上に加速して冷や汗をかいた——という話は少なくありません。大型バイクへの乗り換え直後は必ずパワーモードをAモード(ソフト)に設定し、まずは近所の空いた道で車体の挙動を確認しましょう。「慣れたらモードを上げる」が鉄則です。
高速道路の合流で「加速しすぎる」感覚に戸惑う
高速道路の合流レーンは300〜400m程度ですが、XSR900なら3速で加速するだけで100km/hを軽く超えます。ここで問題になるのは「速すぎて本線との速度差を調整しにくい」という点です。250ccや400ccでは「もっと加速しなきゃ」と焦る場面が、XSR900では「加速しすぎないように抑えなきゃ」に変わります。この感覚の違いに慣れるまでが、乗り換え後の壁になります。コツは、合流レーンに入る前にギアを4速か5速に上げておくこと。高いギアなら同じスロットル開度でもマイルドに加速できるため、本線の流れに合わせやすくなります。加速力が足りないことはまずないので、余裕を持ったギア選択がポイントです。
XSR900の速すぎる加速を手なずける電子制御の使い方
YRC(ヤマハライドコントロール)のモード別特性を理解する
XSR900の2025年モデルに搭載されるYRC(ヤマハライドコントロール)は、パワーデリバリー・トラクションコントロール・スライドコントロールを統合的に制御するシステムです。プリセットモードは「SPORT」「STREET」「RAIN」の3種類で、SPORTはスロットルレスポンスがシャープでフルパワーに近い特性、STREETは日常走行向けの穏やかな特性、RAINは雨天や路面が悪い状況向けの最もマイルドな特性です。「速すぎる」と感じるならまずSTREETモードを試してください。出力自体は120PSから変わりませんが、スロットル開け始めの特性が穏やかになるため、体感的な加速の唐突さが大幅に緩和されます。SPORTとSTREETを交互に試すと違いがはっきりわかります。
トラクションコントロール(TCS)の介入レベルを使い分ける
XSR900のトラクションコントロールは複数段階の介入レベルを持ち、2025年モデルでは5インチTFTメーターから直感的に設定変更が可能です。介入レベルを高く設定すれば、後輪のスリップを検知した瞬間に出力を抑制してくれるため、雨の日や路面が荒れた場所でも安心感があります。逆にレベルを下げれば、ある程度のスリップを許容して自然な挙動を維持します。街乗りでは介入レベルを高めに、ワインディングでは中程度、サーキット走行会ではOFFにするという使い分けが一般的です。ただし公道ではOFFにする必要はほぼなく、高めの設定で走っても楽しさは十分味わえます。「速すぎて不安」な人ほどTCSの介入レベルを上げてみてください。
クイックシフターで加速の途切れをなくす走り方
2025年モデルのXSR900には第三世代のクイックシフター(QSS)が標準装備されており、シフトアップ・シフトダウンともにクラッチレスで操作できます。加速時にクラッチを切る必要がないため、シフトアップ中も駆動力が途切れず、よりスムーズかつ速い加速が可能です。一方で、これが「速すぎ」感を助長する面もあります。従来のクラッチ操作では自然に加速が緩む瞬間がありましたが、QSSではそれがないためシームレスに速度が上がり続けます。使いこなすコツは、シフトアップのタイミングを意識的に早めること。7,000〜8,000rpmでシフトアップする習慣をつければ、パワーバンドの美味しいところを使いつつも過度な速度上昇を防げます。通勤で使うなら5,000〜6,000rpmでのシフトアップでも十分な加速が得られます。
2025年モデルのXSR900はスマートフォン連携機能(Y-Connectアプリ)に対応しており、5インチTFTメーターにナビゲーション表示が可能です。YRCの設定変更もメーター上で完結するため、走行中にモード切替で戸惑うことが減っています。納車後にまずY-Connectアプリをインストールして、各モードの違いを駐車場で試してから走り出すのがおすすめです。
XSR900の速すぎるパワーをシーン別に使いこなすコツ
街乗り:STREETモード+高めのギアで穏やかに走る方法
街乗りでXSR900の「速すぎ」感を抑えるもっとも手軽な方法は、STREETモードに設定して通常より1段高いギアを使うことです。たとえば40km/h走行なら通常3速のところを4速で走る。それだけでスロットルに対する加速の出方がマイルドになり、250ccから乗り換えた人でも違和感なく操作できます。XSR900のCP3エンジンは低回転でもトルクが豊かなので、4速2,500rpmでも失速せずに走れます。信号の多い市街地では頻繁な加減速が発生しますが、高めのギアを使うことでスロットル操作のシビアさが減り、ライダーの疲労も軽減されます。燃費も向上するので一石二鳥です。
ツーリング:中回転域のトルクを活かしたクルージング術
XSR900でロングツーリングに出かけるなら、6速3,500〜4,500rpmのクルージングが快適です。この回転域では80〜100km/h程度で流れに乗れて、エンジンの振動も少なく、CP3特有の3気筒サウンドが心地よく響きます。速すぎると感じるのは追い越し時くらいで、6速からスロットルを開ければ瞬時に120km/hに到達できるため、安全マージンとしての速さは頼もしい味方です。燃料タンクは14Lで、ツーリング時の燃費は20〜23km/L程度が目安。航続距離は280〜320km程度になるため、山間部のツーリングでは200km手前での給油を心がけましょう。高速道路のSAなら150km間隔で給油すればまず問題ありません。
通勤・通学:毎日乗るからこそ気をつけたいスロットル操作
XSR900を通勤や通学で毎日使う場合、朝の冷間時に注意が必要です。エンジンが冷えている状態ではアイドリング回転数がやや高めになり、スロットルレスポンスも敏感に感じやすくなります。暖機運転を数分行ってからゆっくり走り出すのが基本です。また、通勤ルートに坂道発進が多い場合、XSR900のトルクの太さはむしろメリットになります。半クラッチの操作量が少なくて済むため、渋滞路でのクラッチ疲れが軽減されます。ただし、すり抜け走行時は低速ギアでのスロットルレスポンスに要注意。1速・2速での微妙なスロットル操作が求められるので、STREETモードかRAINモードが安心です。
高速道路:追い越し加速と風圧への対策
高速道路でのXSR900は、追い越し加速が圧倒的に楽です。6速100km/hからスロットルを開ければ、ギアダウンしなくても十分な加速が得られます。ただし、ネイキッドスタイルゆえに100km/h以上での風圧はかなりのもの。長時間の高速走行では上半身の疲労が蓄積します。対策としては、社外品のビキニカウルやメーターバイザーの装着が効果的で、3,000〜15,000円程度で入手可能です。純正アクセサリーにもウインドスクリーンが用意されています(約25,000円)。速さへの対策というより、速さを快適に使うための投資と考えてください。高速道路を頻繁に使うなら、風防の有無で疲労度がまったく変わります。
XSR900は速すぎるけど実は快適?長距離ツーリングの実力を検証
シート高810mmと足つき性のリアルな評価
XSR900のシート高は810mmで、大型ネオクラシックとしては標準的です。身長170cmの場合、両足のつま先が接地する程度。身長175cm以上なら両足の母指球がしっかり接地し、信号待ちでの安心感が得られます。ただし、シートの幅がやや広めなので、数値以上に足つきが悪く感じる人もいます。対策としては、ヤマハ純正のローダウンシート(シート高約790mm、約20mm低下)が約30,000円で用意されています。社外品ではさらに低いシートも選べます。足つきが不安で購入を迷っている人は、販売店での跨がり体験をおすすめします。車両重量193kgの軽さは足つきの不安を補ってくれるため、同クラスの215kgあるZ900RSより取り回しは楽に感じるはずです。
ライディングポジションは意外と楽?ハンドル位置の秘密
XSR900のハンドルはやや幅広のバーハンドルで、グリップ位置はシートより高い位置にあります。これにより上体が起きたアップライトなポジションが取れるため、SSのような前傾姿勢の辛さはありません。ツーリングで3〜4時間連続走行しても腰や肩への負担は比較的少ないです。ステップ位置はやや後方に設定されており、スポーティさと快適性のバランスが取れた設計。ただし、純正ステップ位置は身長165cm以下だとやや膝の曲がりがきつくなるため、長距離で膝裏が痛くなる場合があります。その場合はバックステップではなく、純正のステップ位置のまま社外品のステップラバーを厚めのものに交換すると、振動軽減と足の自由度が改善されます。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 193kgの軽さで取り回しが楽 アップライトなポジションで長距離も快適 120PSの余裕が追い越しや高速巡航で安心 14Lタンクで航続距離280〜320km | 風防がなく100km/h以上で風圧が強い シート幅が広く足つきに個人差 低速ギアでのスロットルがシビア タンデムシートが小さく二人乗りは窮屈 |
燃費と航続距離|XSR900の速すぎるパワーは燃費を犠牲にするか
120PSのハイパワーエンジンだと燃費が心配になりますが、XSR900のWMTCモード燃費は19.5km/Lです。実際のツーリング走行では20〜23km/L程度、街乗り中心だと16〜18km/L程度が目安になります。888ccの3気筒としては悪くない数値で、Z900RS(WMTCモード17.2km/L)と比べるとむしろ優秀です。これはCP3エンジンの効率の良さと、3気筒ならではのフリクションの少なさによるもの。14Lタンクとの組み合わせで、ツーリング時の航続距離は280〜320km。北海道ツーリングのようなガソリンスタンドが少ないルートでも、200km手前で給油する習慣をつけておけば問題ありません。速さと燃費の両立は、XSR900の隠れた長所です。
純正アクセサリーで快適性を底上げする3つのアイテム
XSR900の速さを長距離で快適に楽しむなら、以下の純正アクセサリーが効果的です。まず、ウインドスクリーン(約25,000円)。上半身への風圧を大幅に軽減し、高速道路での疲労を抑えます。次に、コンフォートシート(約35,000円)。座面のクッション厚を増やしたもので、3時間以上のロングライドでお尻の痛みが軽減されます。最後に、ハンドルウォーマー取付キット(グリップヒーター、約20,000円)。秋冬のツーリングで手の冷えを防ぎ、スロットル操作の正確性を維持できます。3つ合計で約80,000円。車体価格121万円に対して約6.6%の追加投資で快適性が格段に上がるため、納車と同時に検討する価値があります。
XSR900が速すぎると感じたらやるべきカスタム・セッティング3選
スプロケット変更で加速特性をマイルドにする方法
XSR900の加速が鋭すぎると感じる場合、フロントスプロケットを純正16Tから17Tに変更する方法があります。1丁上げることで各ギアのカバーする速度域が広がり、同じスロットル開度でもマイルドな加速になります。部品代は約3,000〜5,000円、工賃は約5,000円程度で、ショップに依頼しても1万円以内で収まるのがメリットです。デメリットとしては、低速域のトルク感がやや薄れるため、街乗りでの発進がややもたつく場合があります。ツーリングメインの人には好評なカスタムで、高速巡航時のエンジン回転数も下がるため振動と騒音が減少します。ただし、チェーンのコマ数やリアスプロケットとの兼ね合いもあるので、ショップに相談してから実施してください。
スプロケット変更はメーター表示の速度に誤差が生じます。フロント1丁上げると実際の速度よりメーター表示が約6%低く表示されるため、速度超過に注意が必要です。車検時にも指摘される可能性があるため、メーター補正ツール(約15,000〜30,000円)の導入も合わせて検討してください。
サスペンション調整で安定感を高めるセッティング
XSR900の純正サスペンションはフロントが倒立フォーク(KYB製)、リアがリンク式モノショック(KYB製)で、いずれもプリロードと伸び側減衰力の調整が可能です。「速すぎて不安」と感じる原因の一部は、実はサスペンションのセッティングが体重に合っていないことにあります。体重60kg台の人が純正設定(75kg想定)のまま乗ると、サスペンションが沈みきらずフロントの接地感が薄くなりがちです。フロントのプリロードを2〜3クリック弱める方向に調整すると、ブレーキング時にフロントが適切に沈み込み、接地感と安心感が向上します。リアは逆に、荷物を積むツーリング時は1〜2クリック強めると車体姿勢が安定します。調整は無料でできるので、試行錯誤する価値があります。
ブレーキパッド交換で制動力に安心感をプラスする
XSR900のブレーキはフロントがφ298mmダブルディスク+ラジアルマウント4ポットキャリパー、リアがφ245mmシングルディスクで、制動力自体は十分です。ただし、純正パッドはコントロール性重視のセッティングで、初期制動がやや穏やかに感じる場合があります。「速すぎるバイクだからこそブレーキに安心感がほしい」と感じたら、社外品のブレーキパッドへの交換が効果的です。RKのメガアロイXパッドやベスラのシンタードメタルパッドなど、初期制動を強化したモデルが5,000〜8,000円/セットで入手可能。交換工賃は前後で約8,000〜12,000円です。ただし、初期制動が強すぎるパッドはロックしやすくなるため、ABSがあるとはいえ過信は禁物。まずはフロントだけ交換して効果を確かめるのが賢い方法です。
XSR900は速すぎるから後悔する?購入前に確認したい判断基準
大型免許取りたてでXSR900は無謀なのか|現実的に判断する
「大型免許を取ったばかりでXSR900は速すぎる?」という疑問に対する答えは、「条件付きでイエス」です。120PSのパワーは教習所のNC750L(54PS)の2倍以上あり、スロットルレスポンスもまったく別物。しかし、電子制御(YRC・TCS・ABS)のおかげで、制御不能になるリスクはひと昔前の大型バイクと比べて格段に低くなっています。重要なのは「Aモード(ソフト)から始める」「最初の1,000kmは高速道路を避ける」「雨の日はRAINモードを使う」という3つのルールを守ること。これさえ守れば、免許取りたてでも公道で走れないほど危険な車体ではありません。ただし、いきなりBモードで峠を攻めるのはさすがにリスクが高いので、段階的にスキルアップする意識は必要です。
「速すぎて飽きない」のがXSR900の本当の魅力
XSR900の速さを「怖い」と捉えるか「楽しい」と捉えるかは、慣れるまでの期間で変わります。多くのオーナーが口を揃えるのは、「最初の1ヶ月は速すぎると感じたけれど、3ヶ月後には物足りないくらいになった」という声です。そして「物足りなくならない」のがXSR900の強み。120PSのパワーは公道では使い切れないため、何年乗っても「まだ開けられる領域がある」という奥深さが残ります。400ccクラスでは半年で加速に飽きてしまい乗り換えを考える人もいますが、XSR900ではその心配がありません。長く乗るほどコストパフォーマンスが高くなるバイクと言えます。車体価格121万円で10年乗れば、年間12.1万円。バイクの楽しさを考えれば十分にお得な投資です。
XSR900を買って後悔しやすい人・後悔しにくい人の特徴
後悔しやすいのは「見た目だけで選んで速さを想定していなかった人」「バイクに乗る頻度が月1〜2回以下の人」「身長160cm以下で足つきの工夫をせずに購入した人」です。逆に後悔しにくいのは「ある程度の速さを求めていて、それを電子制御でコントロールする考えがある人」「週末ツーリングや通勤で定期的に乗る人」「将来的にサーキット走行も視野に入れている人」です。バイク乗りのミーティング調べでは、XSR900オーナーの満足度はネオクラシックカテゴリの中でもトップクラスで、「速すぎて後悔した」という声より「速くて楽しくて手放せない」という声のほうが圧倒的に多い結果が出ています。購入の決め手は「速すぎるかどうか」ではなく「速さを楽しめるかどうか」です。
まとめ:XSR900は速すぎるからこそ選ぶ価値があるバイク
XSR900の「速すぎ」は事実です。120PS、193kg、パワーウェイトレシオ1.61kg/PSという数値は、ネオクラシックカテゴリでトップクラスの加速性能を意味しています。しかし、その速さは「制御できない危険な速さ」ではなく、「電子制御と乗り方で自在にコントロールできる速さ」です。
YRCのモード切替、トラクションコントロール、ABS、クイックシフターといった電子制御の充実により、2025年モデルのXSR900は「速いけれど扱いやすい」を高いレベルで実現しています。大型免許取りたてのライダーでも、Aモードから始めて段階的にステップアップすれば、このバイクのポテンシャルを安全に引き出していくことができます。
この記事のポイントを振り返ります。
- XSR900が「速すぎ」と言われる理由は120PS×193kgのパワーウェイトレシオ1.61kg/PS
- CP3エンジンは中間トルクが厚く、どの回転域でも力強い加速が得られる
- YRCのSTREETモード+高めのギア選択で、街乗りでもマイルドに走れる
- TCSの介入レベルを上げれば、雨天や路面の悪い状況でも安心感が高い
- スプロケット変更やサスペンション調整で加速特性をカスタマイズ可能
- 燃費はWMTCモード19.5km/L、ツーリング実測20〜23km/Lと同クラスでは優秀
- 「速すぎて後悔」より「速くて飽きない」がXSR900オーナーの本音
まずはヤマハの販売店で跨がり体験をしてみてください。193kgの軽さとアップライトなポジションは、数字で見る「速すぎ」の印象とはまったく違う安心感を与えてくれるはずです。試乗できる店舗なら、STREETモードでの走りを体感するのが一番の判断材料になります。
※記事内の価格・スペックは2025年モデル時点の情報です。最新情報はヤマハ公式サイトでご確認ください。

コメント