信号待ちで足を下ろした瞬間、ふくらはぎに「ジュッ」と来た経験は、バイク乗りなら一度は通る道です。ブーツのサイドが溶けて白く曇った、お気に入りのデニムの内ももに黒い筋が付いた、タンデムした相手のパンツが焦げた——こうしたトラブルは、車体側にヒートガードを1枚足すだけで大半が防げます。
結論から言うと、バイク用のヒートガードは税込2,860円から手に入る汎用品で足ります。選ぶときに見るポイントはたった3つ、「エキパイ(サイレンサー)の外径」「体が触れる位置」「素材」だけです。逆にこの3つを外すと、届いた箱を開けた瞬間に「これ、うちのマフラーに巻けない」となります。
この記事では、デイトナとヨシムラの現行ラインナップから8製品を公式価格で並べ、外径・素材・タイプごとの違いを整理します。あわせて取り付け手順、車検での扱い、そしてガードだけでは防ぎきれない熱をウェア側で潰す方法まで、順番に見ていきましょう。
・汎用ヒートガード8製品の税込価格と適合外径の早見比較
・φ32〜φ145まで、自分のマフラーに合うサイズの測り方
・ステンレス/アルミ/カーボンで何が変わるのか
・取り付け手順と、締めすぎ・緩みで起きる失敗の防ぎ方
・車体側で防げない熱を潰すウェア・カバーの3製品
バイクヒートガードの役割は3つ|やけど・ウェアの焦げ・タンデムのトラブルを止める

ヒートガードは、エキゾーストパイプやサイレンサーの外側に取り付けて、排気系の高温部と人・装備の間に空気の層をつくる部品です。排気の熱そのものを下げるパーツではなく、「触れないようにする」「直射的な輻射を遮る」ことが仕事だと理解しておくと、選び方を間違えません。
止まった直後のマフラーが一番危ない理由
危険度が高いのは走行中ではなく、エンジンを切って降りた直後です。走っているあいだは走行風で表面温度が下がりますが、停車するとその冷却が止まり、内部にこもった熱が外筒へ回ってきます。日本熱傷学会は一般向けの熱傷予防ページで、駐車してあったバイクのマフラーにふくらはぎが当たってやけどした事例を挙げ、エンジンを切った直後のマフラーも高温であることに注意するよう呼びかけています(一般社団法人 日本熱傷学会)。
使う場面で考えると、コンビニやツーリング先の駐車場でバイクを離れる瞬間が典型です。跨がったまま足を下ろすときより、降りて車体の左右を回り込むとき、荷物をくくり直すときに脚が当たります。ヒートガードはこの「無意識の接触」を物理的に止めるので、効果が体感しやすい部位に付けるのが基本です。
注意点として、ガードを付けても表面温度がゼロになるわけではありません。金属製ガードは輻射熱を受けて自身も温まります。素手でつかめる温度になるまでは時間がかかるため、「触れても平気」ではなく「一瞬当たっても大やけどにしにくい」という位置づけで考えてください。
小さな子どもがいる環境では、ガードの有無にかかわらず駐車中の車体に近づけない運用が先です。ヒートガードは装備品であって、安全教育の代わりにはなりません。
ヒートガード・マフラーガード・遮熱バンテージは何が違う?
呼び名が3つあるので混乱しがちですが、役割で分けると整理できます。ヒートガードとマフラーガードはほぼ同義で、メーカーによって呼び方が違うだけです。デイトナは細いエキパイ向けを「マフラーガード」、太いサイレンサー向けを「サイレンサーヒートガード」と呼び分けています。一方の遮熱バンテージは、排気管に直接巻き付ける耐熱繊維テープで、こちらは見た目と熱の閉じ込め方が根本的に違います。
選び分けの基準はシンプルです。脚やパッセンジャーの接触を防ぎたいなら、隙間を空けて浮かせるガード型が向いています。バンテージは管に密着させるため、外周に近い位置での接触対策としては効きますが、排気管そのものに熱をこもらせる側面があり、素材や巻き方によっては錆の原因にもなります。
使う場面としては、ネオクラシック系やカフェレーサー系で「メタルの質感を残したい」ならガード型、ラリー系・トラッカー系で無骨さを出したいならバンテージ、という見た目の好みで割れることも多いです。デメリットは、ガード型はステー位置によってサイドバッグやセンタースタンドと干渉すること、バンテージは一度巻くと外すのに手間がかかること。どちらも取り付け前に周辺クリアランスを確認しておきましょう。
純正で何も付いていない車両ほど、後付けの効果が出る
効果を体感しやすいのは、純正でヒートガードやプロテクターが省略されている車両です。とくに社外マフラーへ交換した直後は、純正エキパイに付いていた遮熱板ごと外れることがあり、以前は当たらなかった位置に熱源が露出します。「マフラーを換えたらブーツが溶けた」という話の大半はこのパターンです。
費用感で見ると、デイトナの汎用マフラーガードは税込2,860円から、サイレンサー用のアルミ製で税込4,290円。ブーツを1足だめにする金額を考えれば、先に入れておく価値のある投資です。マフラー交換の見積もりを取るタイミングで、ガードを1点足せないかショップに相談しておくと、工賃も一度で済みます。
注意したいのは、社外マフラーの中にはヒートガードが標準装備されている製品もあることです。二重に付けても意味はないので、まずは現状の車体で「どこが露出しているか」を目視で確認してから買い足してください。
タンデムする人は「サイレンサー側」を優先する
ライダー本人よりも熱を食らいやすいのが、後ろに乗る人です。パッセンジャーステップはサイレンサーに近い位置にあることが多く、足を乗せた状態でふくらはぎの内側がサイレンサー外筒に近づきます。ライダーはブーツを履いていても、後ろの人はスニーカーとデニムというケースが少なくありません。
デイトナのサイレンサーヒートガード 円形汎用タイプは、公式の商品説明でもタンデム時のやけど防止とパッセンジャーステップ周辺の熱対策を用途として挙げています。外径φ95〜φ145の円筒形サイレンサーに対応するので、社外スリップオンの太いサイレンサーにも回ります。
デメリットは見た目の変化です。円筒サイレンサーの側面にアルミの板が乗るため、スリムな見た目を狙ったカスタムだとボリュームが出ます。二人乗りの頻度が高いかどうかで判断を分けるのが現実的です。
エキパイに巻く汎用タイプ4選|税込2,860円から価格順に比較
まずは細めのエキゾーストパイプに巻くタイプから。デイトナのマフラーガードシリーズは、付属のバンドでエキパイ外径の異なるマフラーに幅広く対応する設計が共通で、素材はステンレス/バフ仕上げです。以下は当メディア「バイク乗りのミーティング調べ」で、公式サイト掲載の税込価格をもとに8製品を並べた早見表です。
| 製品名 | 品番 | 適合外径 | 素材 | 税込価格 |
|---|---|---|---|---|
| マフラーガード ワイヤータイプ | 92807 | φ32〜φ48 | ステンレス/バフ | 2,860円 |
| マフラーガード ワイヤータイプ | 47492 | φ40〜φ55 | ステンレス/バフ | 2,860円 |
| マフラーガード パンチングタイプ | 68314 | φ40〜φ55 | ステンレス/バフ | 3,630円 |
| マフラーガード プレーンタイプ | 68315 | φ40〜φ55 | ステンレス/バフ | 3,630円 |
| ステンレスマフラーガード 横湾曲タイプ | 94467 | Φ40〜Φ60 | ステンレス | 3,630円 |
| ステンレスマフラーガード 湾曲タイプ | 94468 | Φ40〜Φ60 | ステンレス | 4,180円 |
| サイレンサーヒートガード 円形汎用タイプ | 49507 | φ95〜φ145 | アルミ | 4,290円 |
| ヨシムラ カーボンヒートガードSET TYPE-1 | 161-000-A610 | 直径約40〜60mm | ドライカーボン | 12,100円 |
①マフラーガード ワイヤータイプ φ32〜φ48(92807)|細いエキパイに唯一届く1本
8製品のなかで最も細い外径に対応するのがこれです。税込2,860円で、適合外径はφ32〜φ48。原付二種のエキパイや、大排気量車でもエンジン直後の細い部分に回せるサイズ設定で、素材はステンレス/バフ仕上げになります。
選ぶ理由は「他が入らないから」です。汎用ガードの主流はφ40スタートなので、それより細い管を持つ車両では選択肢がここに絞られます。付属のバンドでエキパイ外径の異なるマフラーに幅広く対応する設計なので、φ32ちょうどでなくても範囲内なら締め込みで吸収できます。
使う場面は、カブ系やモンキー系のようにエキパイがステップの真横を通るレイアウト、あるいはスクランブラー風のアップマフラーで管が脚に近づく車体です。街乗りメインで停車と発進を繰り返す使い方ほど、接触の回数が増えるので効きます。
注意点は、ワイヤータイプは名前のとおり線材を並べた構造なので、面で覆うプレーンタイプに比べると輻射熱の遮り方が緩いことです。「直接肌が触れるのを止める」用途と割り切り、輻射までしっかり抑えたいならプレーンかパンチングを選んでください。
②マフラーガード φ40〜φ55 ワイヤータイプ(47492)|最安タイの定番サイズ
同じワイヤー構造で、適合外径をφ40〜φ55に振ったモデルです。価格は税込2,860円と92807と同額で、素材もステンレス/バフ仕上げ。国産ミドルクラスのエキパイはこの帯に収まることが多く、汎用ガードの入口として選ばれます。
根拠として、φ40〜φ55という範囲は前述の比較表でも68314・68315と共通で、デイトナがこのシリーズで最も厚く展開しているサイズです。「とりあえず1本」で外す確率が低いのがこの帯だと言えます。
使う場面は、ツーリングで長時間ステップに足を乗せ続けるとき。走行中はブーツのソール側面が管に近づき続けるため、線材1本ぶんでも隙間があると溶けの進行が変わります。通勤で毎日跨ぐ車両にも向きます。
デメリットは見た目です。バフ仕上げのワイヤーは光を拾うので、ブラック塗装のエキパイに付けると銀色が浮きます。黒で揃えたい場合はカーボン製や、後述する湾曲タイプの取り回しを検討したほうが仕上がりがまとまります。
③マフラーガード φ40〜φ55 パンチングタイプ(68314)|穴あき面で熱と見た目を両立
面で覆いながら穴を開けて抜けをつくったタイプで、税込3,630円。適合外径はφ40〜φ55、素材はステンレス/バフ仕上げです。ワイヤータイプより770円高くなりますが、覆う面積が広がるぶん接触リスクの下げ方が確実になります。
パンチングを選ぶ理由は、面で覆うと発生しやすい「ガードとエキパイの間に熱がこもる」問題を、穴で逃がせる点にあります。見た目もレーシーな方向にまとまるので、スクランブラー系やSS系の車体と相性が取れます。
使う場面は、高速道路を含む長距離走行が多い人。速度が乗ればガード自体の冷却も進むため、面積の大きいタイプほど恩恵が出ます。停車が多い街乗りだけならワイヤーでも足ります。
注意点は、穴の縁にウェアの繊維が引っかかることがある点です。フリンジのある革ジャンやゆるいカーゴパンツで乗る人は、乗り降りの動線に穴あき面が来ないよう、取り付け角度を調整してください。
④マフラーガード φ40〜φ55 プレーンタイプ(68315)|遮る面積が最大の無地仕様
穴のない無地の面で覆うタイプで、価格はパンチングと同じ税込3,630円。適合外径φ40〜φ55、素材はステンレス/バフ仕上げです。8製品のなかでは、同じ価格帯で遮る面積を最大化したい人向けの選択になります。
根拠は構造そのものです。開口部がないぶん輻射を受け止める面が連続するため、脚が近づくレイアウトの車体では体感差が出ます。鏡面に近いバフ仕上げは輻射熱の反射にも寄与し、クラシック系の車体では磨いた雰囲気がそのまま活きます。
使う場面は、ネオクラシックやカフェレーサーで、金属の質感を崩さずに実用性を足したいとき。SR系のようにエキパイがフレーム下を素直に通る車体では、無地の面が違和感なく収まります。
デメリットは、熱がこもりやすい構造であること、そしてバフ面は汚れと焼けが目立つことです。走行後に管の熱で焼き色が入ると、拭いても戻りません。見た目重視で選ぶなら、焼けを味とみなせるかどうかが分かれ目になります。
| 商品名 | マフラーガード φ40〜φ55 プレーンタイプ |
| メーカー | デイトナ |
| 品番 | 68315 |
| 価格 | 税込3,630円 |
| 規格・サイズ | 適合外径 φ40〜φ55 |
| 特徴 | ステンレス/バフ仕上げ。付属バンドでエキパイ外径の異なるマフラーに幅広く対応 |
サイレンサー・湾曲部を覆う4選|ステンレス・アルミ・カーボンの選び分け

ここからは、曲がった管や太いサイレンサーに対応する4製品です。エキパイの集合部やサイレンサー入口はストレートではないため、直線用のガードを無理に巻くとバンドが浮いて振動で緩みます。専用形状を選ぶ意味はここにあります。
⑤ステンレスマフラーガード 横湾曲タイプ(94467)|曲がりに沿わせる3,630円
横方向のカーブに追従する形状で、価格は税込3,630円、適合外径はΦ40〜Φ60、素材はステンレスです。同シリーズの湾曲タイプより550円安く、8製品のなかでは中間価格帯に収まります。
選ぶ理由は、直管用ガードでは合わない場所に唯一沿う点です。エキパイがフレームを避けて横に逃げる区間、サイレンサー手前のテーパー部などは、平らなガードだと片側だけ浮いてしまいます。横湾曲タイプはこの浮きを構造で吸収します。
使う場面は、2本出しマフラーの内側や、リンク周りを避けて通す取り回しの車体。実際の装着可否は現車のクリアランス次第なので、購入前に手を差し込んで「バンドを回せる余地があるか」を確認しておくと確実です。
注意点は、湾曲形状ゆえに向きが限定されることです。上下を逆にすると曲がりが逆向きになり、まったく沿いません。届いたらまず車体に当てて、曲がりの向きを確かめてからバンドを通してください。
⑥ステンレスマフラーガード 湾曲タイプ(94468)|SUSバンド2本付きの安心設計
税込4,180円、適合外径Φ40〜Φ60。素材はステンレスで、SUSバンドが2本付属します。バンドが2本ということは2点で固定できるということで、振動の多い単気筒車でも位置ズレが起きにくい構成です。
根拠として、ガードのトラブルで多いのは「熱と振動でバンドが緩み、走行中にガードが回ってしまう」ことです。1点固定だと回転を止められませんが、2点で挟めば回りません。バンド追加を別途買う手間が省けるぶん、実質的なコスト差は横湾曲タイプとの550円ほどではありません。
使う場面は、SR400のような単気筒で振動が大きい車体、あるいは林道やフラットダートを走る機会がある人。上下動でガードが叩かれる条件ほど、固定点の数がそのまま安心につながります。
デメリットは、2点固定ぶん取り付けに必要なスペースが増えることです。ステーやセンタースタンドが近いと、2本目のバンドを通す位置が確保できません。事前にメジャーで直線区間の長さを測っておきましょう。
マフラー本体を換えるところから考えている人は、ガードの要否も含めて先にマフラー選びを詰めておくと二度手間になりません。

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⑦サイレンサーヒートガード 円形汎用タイプ φ95〜φ145 アルミ(49507)|太いサイレンサー専用
外径φ95〜φ145までの円筒形サイレンサーに取付可能な、アルミ製の大型ガードです。税込4,290円で、本体がアルミ、固定はステンレスバンド止め。デイトナの公式ページでは、タンデム時のやけど防止とパッセンジャーステップ周辺の熱対策が用途として明記されています。
選ぶ理由は、対応外径の広さに尽きます。φ95〜φ145というレンジは社外スリップオンの太いサイレンサーをほぼカバーしており、エキパイ用のガードでは物理的に届かない領域です。アルミは熱伝導が良く軽いため、大きな面積でも車体への負担が小さく収まります。
使う場面は、二人乗りの頻度が高い車両、そしてサイドバッグを提げる車両です。バッグのベルトがサイレンサーに触れて溶けるトラブルは、ガードを1枚挟むだけで避けられます。ツーリングで荷物を積む人ほど価値が出ます。
注意点は、アルミは柔らかいということです。転倒時にサイレンサーを守る役目までは期待できませんし、強く踏むと変形します。あくまで熱対策の部品として扱ってください。
⑧ヨシムラ カーボンヒートガードSET TYPE-1(161-000-A610)|ドライカーボンで12,100円
ヨシムラのドライカーボン製で、税込12,100円。適合パイプ径は直径約40〜60mmで、センターマウント用ステーと直径約40〜60mmのパイプに対応したホースバンドが付属します。適合車種としてG310R(2016〜2020年)、Monkey125(2018〜2025年)、Cross Cub110(2018〜2025年)、CT125(2020〜2025年)、XMAX(2018〜2024年)が挙げられています(ヨシムラジャパン公式)。
デイトナの汎用品と比べると価格は3倍前後になりますが、ドライカーボンは金属より熱伝導率が低く、ガード表面が触れる温度まで上がりにくいという性質があります。クリアコーティング仕上げで、織り目がそのまま見えるドレスアップ効果も込みの価格だと考えると納得できます。
使う場面は、モンキー125やCT125のように、脚とエキパイの距離が近い小排気量車。ヨシムラのラインナップにはこのほか、CBR250RR等に対応するカーボンヒートガードSET TYPE-2が税込12,100円、Z900RS等向けのオプションヒートガードSETが税込5,280円、Hayabusa用のフルエキゾーストHEPTA FORCE チタンサイクロン用カーボンヒートガードSETが税込49,500円で用意されています。
デメリットは、カーボンは打撃に弱いことです。飛び石や転倒でクラックが入ると補修が難しく、交換になります。街乗りと舗装路ツーリングが中心なら問題になりませんが、荒れた路面を走る車両では金属製のほうが気楽です。
ヨシムラの汎用ヒートガードはホースバンド固定なので、適合車種リストに載っていない車体でも直径約40〜60mmの管であれば物理的には巻けます。ただしステーの逃げが車種ごとに違うため、リスト外の車両に付けるときは現物合わせが前提です。
外径・取付位置・素材の3ステップで選べば失敗しない
ここまで8製品を並べましたが、選ぶ手順そのものは3つだけです。順番を守れば、届いてから「合わない」となる確率はほぼゼロになります。
ステップ1:ノギスか紙テープで外径を測る
最初にやるのは採寸です。ノギスがあればエキパイの直径を直接測ります。持っていない場合は、紙テープを管に一周させて印を付け、その長さを3.14で割れば直径が出ます。カタログのφ表記はすべてこの外径のことです。
この一手間が効くのは、汎用ガードの適合レンジが狭いからです。φ32〜φ48、φ40〜φ55、Φ40〜Φ60、φ95〜φ145と刻まれており、1つ外すと締め込みでは吸収できません。とくにφ48とφ55の境目は見た目で判別できないので、必ず数字で確認してください。
測る場所も重要です。エキパイは根元から出口に向かって細くなったり、集合部で太くなったりします。「ガードを付けたい位置そのもの」で測るのが鉄則で、根元だけ測って買うと現地で合いません。
ステップ2:体のどこが当たるかを座って確認する
次に、実際に跨がって足を下ろし、どこが管に近いかを見ます。ふくらはぎの内側、くるぶし、ブーツのソール側面、そしてパッセンジャーステップ周辺。この4か所のうち、どこが危ないかで買うタイプが変わります。
くるぶしからふくらはぎならエキパイ用の細いガード、パッセンジャーステップ周辺ならサイレンサー用の大型ガードです。両方が気になる場合は、まず接触頻度の高い自分側から入れて、次のシーズンにタンデム側を足すという順番でも構いません。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 税込2,860円から導入できる 工具3点で自分で付けられる ブーツ・パンツの溶けを防げる タンデムの相手にも配慮できる 外せば元に戻せる可逆カスタム | 外径を1段間違えると装着できない 面積が大きいほど熱がこもりやすい バフ仕上げは焼け色が残る センタースタンド等と干渉することがある ガード自体も高温になる |
ステップ3:ステンレス・アルミ・カーボンから選ぶ
素材で変わるのは、価格・重さ・熱の伝わり方・見た目の4点です。ステンレスは税込2,860〜4,180円と手頃で強度があり、バフ仕上げならクラシック系に馴染みます。アルミは軽く、大面積のサイレンサー用で税込4,290円。ドライカーボンは税込12,100円と価格が上がりますが、熱伝導率が低く軽量です。
使い分けの目安は、走る環境です。飛び石や転倒のリスクがある使い方ならステンレス、大きな面積を軽く覆いたいならアルミ、脚とエキパイの距離が近い小排気量車で見た目も欲しいならカーボン。この順で検討すると迷いません。
ちなみに「表面の処理で熱をどうにかする」という発想では、耐熱塗装という選択肢もあります。ガードで物理的に隔てるのとは別のアプローチなので、興味があれば比べてみてください。

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失敗パターン:外径を測らずに買い、隙間が空いたまま走った
ありがちなのが、φ40〜φ55のガードをφ38のエキパイに付けてしまうケースです。バンドは締まるのでいちおう固定はできますが、ガードと管のあいだに設計より大きな隙間が生まれ、走行風で振動します。数百キロ走ったところでバンドが緩み、ガードが回転してステップに当たる、という流れです。
対策は単純で、買う前に採寸すること。すでに買ってしまった場合は、適合外径の合う製品に買い替えるのが結局は安上がりです。スペーサーを噛ませて無理に固定する方法は、熱で樹脂が変形するため避けてください。
「適合外径φ40〜φ55」は、その範囲なら締め込みで対応できるという意味です。範囲外の管に付けると固定力も遮熱位置も設計どおりになりません。数字は必ず現車で確認してから注文しましょう。
取り付けは自分でできる?工具・手順・お店に頼むときの考え方

汎用ヒートガードはバンド固定が基本なので、作業自体は難しくありません。ただし相手は排気系なので、温度と締め付けの扱いを間違えるとトラブルになります。手順を押さえておきましょう。
用意する工具は3点だけ
必要なのは、バンドを締めるドライバーまたは小さめのレンチ、外径を測るノギスかメジャー、そして手を保護する軍手です。ガードによってはSUSバンドが付属するため、追加で買う部品は基本的にありません。デイトナのステンレスマフラーガード湾曲タイプ(94468・税込4,180円)にはSUSバンドが2本付きます。
あると作業が楽になるのが、養生テープと脱脂用のパーツクリーナーです。位置決めのあいだガードを仮止めしておけますし、管の表面の油分を落としておくとバンドが滑りません。合わせても数百円の追加なので、初めての人は用意しておくと安心です。
注意点として、電動ドライバーでバンドを締めるのは避けてください。トルクがかかりすぎてバンドのねじ山を舐めます。手で締めて、最後にわずかに増し締めするくらいが適切です。
取り付け手順は4ステップ
手順は、①エンジンが完全に冷えていることを確認する、②取り付け位置の管を脱脂する、③ガードを当ててバンドを仮締めし、位置と向きを決める、④本締めして手で揺すり、動かないことを確かめる——この4つです。慣れていれば30分ほど、初めてでも1時間あれば終わります。
①を軽視しないでください。走行直後の排気管は素手で触れる温度ではありません。ツーリングから帰ってすぐ作業するのではなく、翌朝に回すのが安全です。日本熱傷学会も、エンジンを切った直後のマフラーが高温であることに注意を促しています。
③の位置決めでは、必ず跨がって足を下ろした状態で確認します。地面に立って見た位置と、シートに座ったときに脚が当たる位置はずれます。仮締めのまま一度またいで、ブーツの当たり方を見てから本締めしてください。
失敗パターン:バンドを締めすぎてエキパイに凹みを作った
もう一つ多いのが、走行中に外れるのが怖くてバンドを締め込みすぎる失敗です。薄肉のステンレスエキパイは想像より柔らかく、バンドの幅で線状の凹みが残ります。いったん凹むと元には戻らず、社外マフラーだと売却時の査定にも響きます。
対策は、バンドと管のあいだに付属のゴムやシムが指定されている製品ならそれを必ず使うこと、そして本締めは「手で回してガードが動かなくなったら止める」を基準にすることです。締めが足りないと感じたら、締めるのではなくバンドの本数を増やすほうが安全に解決できます。
バイクヒートガードで防ぎきれない熱は?ウェアとカバー側の3製品
車体側のガードで止められるのは、あくまで「接触」と「直射的な輻射」です。渋滞でエンジン本体から立ち上る熱や、カバーをかけたときの溶けは別の対策が要ります。ここでは車体以外の3製品を見ていきます。
DB-011 ヒートガードデニムパンツ|レザー補強で税込14,300円
デイトナのライディングデニムで、税込14,300円。ストレッチ性に優れたデニム素材をベースに、負荷のかかる部分にレザー補強を施した構成で、公式の説明では「レザーヒートガード付きで、エンジン熱から足を守ります」とされています。サイズはS・M・L・XL・2XLの5展開、カラーはブラックとインディゴの2色です。
機能面では、太ももにエアベンチレーションパネル、膝上にシャーリング、裾はジップ開閉でブーツアウトに対応。ひざ用プロテクターポケットにも対応します(プロテクターは別売)。対応シーズンは春・夏・秋で、目安は3月から11月、推奨気温15℃以上です(デイトナ公式)。
使う場面は、街乗りから日帰りツーリングまで。降りてそのまま出かけられる見た目なので、通勤や買い物で「着替えたくない」人に向きます。デメリットは、推奨気温15℃以上という設定どおり真冬向けではないこと、そして14,300円という価格が汎用ガード4本ぶんに相当することです。
DI-018 ヒートガードインナーパンツ|内ももに耐熱生地で税込6,820円
手持ちのパンツの下に履くインナータイプで、税込6,820円。本体は高通気・高ストレッチ生地、内太もも部分にはパンチング加工を施した高断熱耐熱生地を使い、走行中や渋滞時に伝わる排熱を効果的に遮断する設計です。サイズはS・M・L・XLの4展開になります。
選ぶ理由は、既存のパンツを買い替えずに済むことです。お気に入りのデニムで乗りたいけれど内ももが熱い、というケースにピンポイントで効きます。DB-011より7,480円安く、ウェア側の対策としては入りやすい価格です。
使う場面は、真夏の渋滞と、シート下や車体中央にエキゾーストが通るレイアウトの車両。内ももが熱源に最も近くなる条件で効果が出ます。
注意点は、インナーである以上、外側のパンツの生地が薄いと熱そのものは通ってくることです。あくまで「肌への到達を遅らせる」層として考え、外側にはある程度厚みのある生地を合わせてください。
| 商品名 | DI-018 ヒートガードインナーパンツ |
| メーカー | デイトナ |
| 品番 | 66442(S)/66466(M)/66473(L)/66475(XL) |
| 価格 | 税込6,820円 |
| 規格・サイズ | S/M/L/XL |
| 特徴 | 高通気・高ストレッチ生地。内太もも部にパンチング加工の高断熱耐熱生地を配置し、走行中や渋滞時の排熱を遮断 |
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真夏のバイクは、止まった瞬間に地獄になります。走っているうちは走行風でなんとかごまかせても、信号待ちや渋滞にはまると、アスファルトの照り返しとエンジンの熱で体感…
バイクカバー用耐熱パッド|1,320円でカバーの穴あきを防ぐ
意外と見落とされるのが、保管時の熱です。デイトナのバイクカバー用耐熱パッド(品番96715)は税込1,320円で、サイズは35×70cm、素材は綿100%/アクリルボンド加工、耐熱温度は270℃。カバー内側のエキパイやサイレンサーが接触する部位に貼り付けることで、手持ちのカバーを耐熱仕様に変えられます。
使い方は、貼りたい場所の大きさに合わせてハサミでカットし、薄めた中性洗剤などで油分やほこりを落としてから貼り付けるだけ。大判なので、複数の接触箇所に分けて使えます(デイトナ公式)。
使う場面は、帰宅してすぐカバーをかける保管環境。屋外駐輪で毎日カバーを使う人ほど、穴あきの発生頻度が高くなります。1,320円のパッドでカバー1枚の寿命が延びるなら、コスト面での納得感もあります。
注意点は、耐熱温度270℃はあくまでパッド側の仕様だということです。走行直後にカバーをかける習慣そのものは、熱がこもって乾きにくくなるためおすすめしません。エンジンが冷めてからかけるのが基本で、パッドは「冷まし切れなかったとき」の保険と考えてください。
街乗り・ツーリング・通勤・高速でどう変わる?シーン別の使い分け
同じヒートガードでも、走り方によって効き方が変わります。自分の乗り方に照らして、優先度を決めましょう。
街乗り・渋滞が中心なら「接触」より「滞留」を疑う
信号待ちの多い街乗りでは、走行風が当たらない時間が長くなります。この条件で効くのは、面積の大きいプレーンタイプ(68315・税込3,630円)よりも、抜けのあるパンチングタイプ(68314・税込3,630円)やワイヤータイプ(47492・税込2,860円)です。こもった熱を逃がしながら接触だけ止める、というバランスが取れます。
あわせて有効なのが、ウェア側のDI-018 ヒートガードインナーパンツ(税込6,820円)です。渋滞時の排熱に対して、車体側と身体側の両方から手を打てます。
ツーリング・タンデムならサイレンサー側を先に
長距離を走るなら、荷物とパッセンジャーの安全が優先です。サイレンサーヒートガード 円形汎用タイプ(49507・税込4,290円)は、外径φ95〜φ145の円筒形サイレンサーに対応し、公式にもタンデム時のやけど防止とパッセンジャーステップ周辺の熱対策が用途として挙げられています。
サイドバッグを提げる人にとっても、ベルトやバッグ底面がサイレンサーに触れる事故を防げます。宿に着いて荷物を下ろしたら底が溶けていた、という展開を避けられるのは大きな安心材料です。
通勤・通学は「毎日跨ぐ回数」で考える
通勤で毎日往復すると、乗り降りの回数は月に40回を超えます。回数が増えるほど、うっかり脚を当てる確率も上がります。この用途では、価格を抑えたワイヤータイプ(92807/47492・ともに税込2,860円)を入れておくだけで、スーツのパンツやスニーカーの側面を守れます。
通勤車は保管環境も屋外が多いので、バイクカバー用耐熱パッド(96715・税込1,320円)との組み合わせが現実的です。合わせて税込4,180円で、走行中と保管中の両方をカバーできます。
意外と知られていないのですが、高速道路メインの人はヒートガードの優先度がむしろ下がります。走行風が絶えず当たるため排気系の表面温度が上がりにくく、乗り降りの回数も少ないからです。高速の比率が高い人は、ガードにお金をかけるより、風防やグリップまわりなど疲労対策に回したほうが体感の満足度は高くなります。
高速比率が高い人が本当に困るのは「サービスエリアでの一瞬」
とはいえ、高速走行がゼロリスクというわけではありません。危ないのはサービスエリアに入った直後、跨いだまま足を下ろしてバックで下がるときです。走行風が止まった状態で、しかも管が最も熱い瞬間に脚が近づきます。
この一瞬に備えるなら、面積の小さいワイヤータイプでも十分です。税込2,860円のガードが、ブーツのサイドを溶かさずに済ませてくれます。長距離を走る人ほど、休憩のたびにこの動作を繰り返している点は意識しておきたいところです。
まとめ|まず外径を測る、それだけで選択肢は3つに絞れる
ヒートガードは、カスタムのなかでも費用対効果がはっきり出るパーツです。マフラーを換えれば音が変わり、シートを換えれば座り心地が変わりますが、ヒートガードは「ブーツが溶けない」「パンツが焦げない」という形で、支出を減らす方向に効きます。税込2,860円のワイヤータイプ1本で、1万円を超えるブーツを守れるなら、判断は難しくありません。
今回並べた8製品は、デイトナのマフラーガードシリーズが税込2,860円から4,290円、ヨシムラのドライカーボン製が税込12,100円という構成でした。エキパイ側はφ32〜Φ60、サイレンサー側はφ95〜φ145という2つの帯があり、どちらに当たるかで買う製品が決まります。曲がった区間には湾曲タイプ、タンデム対策にはアルミの円形タイプ、というふうに、形状で選び分ければ迷いようがありません。
最初の一歩は、ガレージに行ってエキパイを一周させる紙テープを1本用意することです。測った数字を3.14で割って外径を出し、その数字を持って比較表に戻ってきてください。φ40〜φ55なら候補は4製品、φ32〜φ48なら1製品、φ95〜φ145なら1製品と、選択肢は自動的に絞られます。そこまで来たら、あとは「面で覆いたいか、抜けが欲しいか」「銀色でいいか、黒がいいか」の好みで決めるだけです。次の週末、脚に当たる位置を一度確認してみるところから始めてみてください。
※価格・仕様は各メーカー公式サイトの掲載内容に基づきます。最新情報は公式サイトでご確認ください。

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