ガンコートとは?硬度9Hの放熱塗装を料金・耐熱温度で解説|パウダーコートとの違いも

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エンジンやブレーキキャリパーを塗り直したいと調べていくと、必ず出てくるのが「ガンコート」という単語です。ただ、パウダーコートやセラコートと並べて説明されることが多く、結局どれが何に向いているのか分からないまま止まってしまう人は少なくありません。料金も店によって数千円から15万円超まで開きがあり、相場感がつかみにくいのも悩みどころです。

結論から言うと、ガンコートは「見た目を良くする塗装」ではなく「機能を足す塗装」です。鉛筆硬度9H相当の塗膜、ガソリンやブレーキフルードでも溶けない耐薬品性、そして熱を空気中へ逃がす放熱性。この3つを狙って使う塗料なので、ラジエターや空冷シリンダー、ブレーキキャリパーといった熱と薬品にさらされる部品と相性が良い一方、傷だらけの外装をきれいに見せる用途にはまったく向きません。

この記事では、ガンコートの正体と性能、パウダーコート・セラコートとの使い分け、全国6店舗の実際の施工料金、そしてDIYで塗る場合に必要な道具と総額まで、公式サイトと施工店の公開価格をもとに整理していきます。読み終わるころには「自分のパーツをどこにいくらで出せばいいか」が具体的に決まっているはずです。

📌 押さえておきたいポイント

・米国KGインダストリーズ社製の焼き付け塗料。日本総輸入代理店はカーベック
・170℃で1時間以上の焼き付けが必須。鉛筆硬度9H相当、色は70色以上
・施工料金はブレーキキャリパー6,600円〜、エンジン一式10,000〜151,800円
・DIYなら塗料500cc 8,030円+焼付器20,350円から始められる

目次

ガンコートとは?米軍も使う塗料が硬度9Hを実現する仕組み

ガンコートとは?米軍も使う塗料が硬度9Hを実現する仕組みの解説画像

まずは正体からです。ガンコート(GUN-KOTE)は、アメリカのKGインダストリーズ社が開発した一液性の焼き付け塗料で、名前のとおりもともとは銃器用に作られました。日本のバイク・自動車シーンに入ってきたのは2006年ごろで、現在はカーベック(愛知県)が総輸入代理店として塗料と焼付乾燥器を扱っています。

銃身の過熱を抑えるために生まれた塗料だった

ガンコートの出発点は、連射で熱を持った銃身が歪むのを防ぐことにありました。金属にこもった熱を効率よく空気中へ放散させ、過熱そのものを抑えるという発想です。この「熱を逃がす」性質がそのままバイクの世界で評価され、空冷エンジンのシリンダーやシリンダーヘッド、水冷車のラジエター、オイルクーラーといった熱交換部品に使われるようになりました。ウェビックプラスの解説でも、米軍指定塗料として耐久性と耐薬品性の高さが紹介されています。使いどころとしては、真夏の渋滞や連続する峠越えで熱がこもりやすい空冷車、あるいは水温計の針が気になる水冷車のラジエターが分かりやすい対象です。ただし注意したいのは、放熱塗装はあくまで「熱の逃げ道を少し広げる」補助であって、冷却系のトラブルを解決する修理ではないという点です。ラジエターが目詰まりしている、サーモスタットが開かないといった原因がある場合、塗装をしても症状は変わりません。まず原因を切り分けてから、仕上げとして選ぶのが正しい順番です。

鉛筆硬度9H相当、ブレーキフルードをかけても溶けない

ガンコートの性能で最初に語られるのが表面硬度です。鉛筆硬度で9H相当とされ、一般的なウレタン塗装(2H〜4H程度が目安)と比べて明確に硬い部類に入ります。飛び石が当たりやすいフロントフォークのアウターチューブやラジエターの前面でも、傷が入りにくいのはこの硬さのおかげです。もうひとつが耐薬品性で、ガソリンやシンナーはもちろん、塗装を侵しやすいブレーキフルードをこぼしても溶けません。アセトンに浸けても、塗装剥離剤をかけても剥がれないという性質が公開されています。この特性が効いてくるのは、フルード交換のたびに垂らしてしまうマスターシリンダー周りや、チェーンルブとパーツクリーナーが飛び散るスイングアーム周辺です。デメリットも正直に書いておくと、剥がれないということは「気に入らなかったときにやり直しがきかない」ということでもあります。色を変えたい場合はサンドブラストで物理的に削り落とす必要があり、その工程分の費用が別途かかります。

170℃で1時間以上、この焼き付けを外すと性能は出ない

ガンコートで一番落とし穴になるのが焼き付け工程です。塗って乾かすだけでは性能が出ず、170℃で1時間以上の焼き付けが必要になります。しかもこの1時間は「オーブンのスイッチを入れてから」ではなく「パーツ自体の温度が170℃に達してから」の1時間です。クランクケースのような重量物は芯まで温度が上がるのに時間がかかるため、実際の稼働時間は2時間近くになることもあります。施工店によっては1時間30分以上かけているところもあります。この条件があるせいで、170℃を安定して維持できる専用の焼付釜が必須になり、DIYのハードルも施工料金も釜のサイズで決まってきます。裏を返せば、樹脂やゴムが付いたままの部品は施工できません。ブレーキキャリパーならピストンシールもダストシールも抜いた完全なバラし状態、エンジンならガスケットもオイルシールも外した状態で持ち込むのが前提になります。分解を店に頼めばその工賃が上乗せされるので、見積もり時に必ず確認しておきたいところです。

色は70色以上、機能を優先した塗料という割り切り

ガンコートは2400シリーズを中心に70色以上が用意されています。ブラック・シルバーといった定番から、レッド・グリーン・ブルーの標準色、オリーブドラブやミルスペックグレーといった軍用色、さらにブラッククロームやガンメタルグレーなどのメタリック系まで幅広い展開です。ただしメーカー自身が「意匠性より機能性を重視した塗料」と位置づけており、ロットによる色の誤差もあり得ると明記しています。ここが外装用の塗料と決定的に違うところです。塗膜が薄いため下地の荒れや打痕を隠す力もなく、ブラストで整えた素地の質感がそのまま表に出ます。逆にいえば、砂型鋳造のクランクケースやアルミの梨地に塗ると、素材の表情を残したまま質感だけが引き締まります。旧車のエンジンを「レストアしたけどベタ塗り感を出したくない」ときに選ばれるのは、この薄さゆえです。

🏍 スペック情報
商品名GUN-KOTE 2400シリーズ #2401S Satin Black
メーカーKGインダストリーズ(日本総輸入代理店:カーベック)
価格帯500cc 8,030円/1000cc 13,860円/1ガロン 52,250円(すべて税込)
焼付条件170℃で1時間以上(パーツ温度が170℃到達後)
規格・仕様一液性・希釈不要/推奨スプレーガン口径 φ0.4〜0.6mm
特徴鉛筆硬度9H相当/耐薬品性・放熱性/カラーサンプルは330円

放熱効果は本当にある?効く部品と効かない部品の境界線

「塗って冷えるなら苦労しない」と思う人もいるはずです。ここは期待値の調整が大事なところなので、仕組みと限界の両方を押さえておきましょう。

金属にこもった熱を空気へ渡す、それが放熱塗料の役割

金属はそれ自体が熱を持ちやすい一方、表面から空気へ熱を渡す効率は意外と高くありません。放熱塗料は、表面の放射率を上げることで熱を赤外線として外へ逃がしやすくする塗料です。だから効果が出やすいのは「表面積が大きく、風が当たり、内部に熱源がある部品」に限られます。具体的にはラジエターのコア、オイルクーラー、空冷エンジンのフィン、シリンダーヘッドあたりが該当します。逆にトップブリッジやステップホルダーのように、そもそも熱を持たない部品に塗っても放熱という意味では何も変わりません。この場合は硬度と耐薬品性だけを目的に選ぶことになります。注意点として、塗膜自体はごくわずかとはいえ熱抵抗になるため、厚塗りすると放熱ではなく断熱に近づきます。施工店が「薄く重ねる」を徹底し、厚塗りを避けるのはこのためです。DIYで「しっかり塗ろう」と重ねすぎると、狙いと逆の結果になりかねません。

ブラックとグレーが選ばれるのには理由がある

放熱を目的にする場合、色はブラックとグレーが最も効果的とされています。同じガンコートでもネオンピンクとフラットブラックでは放射率が異なるため、ラジエターやエンジンに塗るなら黒系が定番です。実際、施工店の作例を見てもエンジンはサテンブラックかフラットブラック、ラジエターは黒、キャリパーだけ差し色というパターンが多く見られます。使い分けとしては、機能を取りたいエンジン・ラジエターは黒、見せたいキャリパーやフォークは好みの色、という組み合わせが現実的です。ただし黒はサテン(半つや)とフラット(つや消し)で印象がかなり変わります。サテンブラックはウェットな締まった黒でエンジンが引き締まって見え、フラットブラックは光を吸うのでレーシーな雰囲気になります。カタログの小さな色見本だけで決めると、組み上げたあとに「思っていた黒じゃない」となりやすい部分です。カーベックはカラーサンプルを330円で販売しているので、迷うならここを先に押さえておくと確実です。

街乗り・ツーリング・通勤・高速で恩恵の出方は変わる

同じ塗装でも、乗り方によって体感は変わります。信号待ちの多い街乗りは走行風が当たらず熱がこもりやすいので、空冷エンジンのフィンやオイルクーラーへの施工が効いてくるシーンです。夏場のツーリングで峠の登りを連続で走るような使い方も同様で、油温計の落ち着き方に注目する人が多い領域になります。一方、通勤・通学のような短距離主体の使い方では、そもそもエンジンが熱ダレするほど連続運転しないため、放熱面の恩恵は感じにくいはずです。この場合は、雨天走行で泥と融雪剤にさらされるフォークやキャリパーの防錆・耐薬品性を目的にしたほうが納得感があります。高速道路メインなら常に走行風が当たるので放熱条件としては有利ですが、それだけに飛び石のダメージが増える環境でもあり、9Hの硬さが活きる場面です。自分の使い方がどれに近いかで、塗る部品の優先順位を決めるのが失敗しないコツです。

実は、色よりも下地処理のほうが仕上がりを左右する

意外と知られていないのですが、ガンコートの仕上がりを決める最大の要因は色でも塗り方でもなく、下地処理です。塗膜が薄いということは、下地の状態がそのまま表に出るということでもあります。サビの跡、腐食のピット、前の塗装の段差、これらは全部見えます。だから施工店の工程は「剥離→サンドブラストまたはウエットブラスト→空焼きで油分除去→密着剤→ガンコート→焼き付け」という順序を踏み、塗装そのものより下地に手間をかけています。実際、ブラストガレージの料金表を見ると250〜400ccクラスのフレームでサンドブラストだけで19,800円(税込)、400cc4気筒のシリンダーヘッドのウエットブラストが15,400円〜(税込)と、下地処理単体でしっかりした価格が設定されています。「塗装代が思ったより高い」と感じるとき、その多くは下地処理の工数を見ています。逆にいえば、ここを削った施工は結果に出ます。安さだけで選ばないほうがいい理由がここにあります。

💡 ライダーメモ

ガンコートは膜が薄いぶん、隙間やクリアランスがシビアな部品にも使えます。ブレーキキャリパーのピストン穴やスライドピン部のように「厚みが増えると組めなくなる」箇所を持つパーツで選ばれるのは、この薄さが理由です。逆に、傷や打痕を埋めて隠したいならパウダーコートのほうが向いています。

パウダーコート・セラコートとどう違う?3つの塗装を使い分ける基準

パウダーコート・セラコートとどう違う?3つの塗装を使い分ける基準の解説画像

ここが一番混乱しやすいところです。3つとも「焼き付け系の高耐久塗装」というくくりで語られますが、得意分野がはっきり違います。

パウダーコートは厚みと柔軟性、フレーム向きの選択肢

パウダーコート(粉体塗装)は、粉状の塗料を静電気で付着させ、約180℃で溶かして定着させる方式です。溶剤を含まないので環境負荷が低く、複雑な形状でも隅々まで均一に回り込みます。最大の特徴は塗膜が厚く柔軟性があること。多少のねじれや曲げが加わっても割れにくいため、フレームやスイングアーム、ホイールのように応力がかかる部品と相性が良い塗装です。料金の目安は、ブラストガレージで400ccクラスフレーム49,500円〜(税込)、スムースラインで国産バイクフレーム66,000円〜(税込)、エルオートでフレーム18,000〜40,000円(税別)と店によって幅があります。デメリットは厚みが出ることで、はめ合い部やネジ山にはマスキングが必須になる点、そして放熱性ではガンコートに劣る点です。フレームは厚く強く、エンジンは薄く放熱重視、という住み分けが一般的なのはこのためです。

セラコートは耐熱約1200℃、マフラーならこちら

セラコートは米国NIC社が開発したセラミック系のコーティングで、耐熱温度は約1200℃とされています。ガンコートの耐熱温度が施工店の表記で200℃〜350℃程度とされているのに対し、桁が違う領域です。この差が効いてくるのがエキゾースト系で、排気ポート直後のエキパイやマニホールドのように真っ赤に焼ける部位はセラコートの独壇場になります。もうひとつの違いが焼き付けの前提で、セラコートには焼き付けタイプだけでなく常温乾燥タイプも用意されているため、樹脂部品や大型で釜に入らない部品にも対応しやすくなっています。ただし放熱性という一点ではガンコートが上とされ、ラジエターやオイルクーラーはガンコートが選ばれる傾向です。実務的な使い分けは「エンジン大物・ラジエター・オイルクーラーはガンコート、マフラーや車体関連はセラコート」。ただしこれは絶対ではなく、エンジンカバーにセラコート、キャリパーにガンコートという組み合わせも普通に行われています。

3方式を並べて比較|バイク乗りのミーティング調べ

公開されている各社の仕様と施工店の料金表をもとに、3方式の違いを1枚にまとめました。数値は各社公表値および施工店の公開価格をもとにした整理です。

比較項目 ガンコート パウダーコート セラコート
焼付温度 170℃×1時間以上 約180℃ 焼付/常温の2種
耐熱温度の目安 200〜350℃ 〜200℃前後 約1200℃
塗膜の厚み 薄い 厚い 薄い
放熱性
傷・打痕を隠す力 × ×
得意な部品 エンジン・ラジエター
キャリパー
フレーム・スイングアーム
ホイール
マフラー・エキパイ
キャリパー料金例 6,600〜35,200円 店により要見積り 店により要見積り

迷ったら「熱・薬品・クリアランス」で振り分ける

振り分けの基準はシンプルで、その部品に何を求めるかで決まります。熱を逃がしたいならガンコート、真っ赤に焼けるならセラコート、傷を隠して丈夫に仕上げたいならパウダーコート。この3行で8割は判断がつきます。もう1つ加えるなら「クリアランス」で、ベアリング圧入部やピストン摺動部のように厚みが増えると組めなくなる箇所を含むパーツは、薄膜のガンコートかセラコートが安全です。実際の依頼では、フレームとスイングアームはパウダーコート、エンジンとキャリパーはガンコート、マフラーはセラコートという分業で、複数の塗装を扱う店に一括で出すパターンが多く見られます。注意点は、複数方式を扱っている店でも得意分野が偏ることです。ラジエター専門店ならラジエターのガンコートに強く、旧車ショップならエンジン一式の下地処理に慣れている、という具合です。部品ごとに店を選ぶ手間を惜しまないほうが、結果的に満足度は高くなります。カスタムの優先順位を組み立てる考え方は、こちらの記事も参考になります。

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メリットデメリット
鉛筆硬度9H相当で飛び石に強い
ブレーキフルードでも溶けない
放熱性が高くラジエター向き
薄膜でクリアランスを侵さない
色は70色以上から選べる
傷や打痕を隠す力がない
170℃焼付のため完全分解が前提
剥離剤で落ちずやり直しが困難
FRP・ABS製の外装には施工不可
専用の焼付釜がないと施工できない

施工料金はいくら?部品別に6店舗の公開価格を並べて比較

ここからは実際のお金の話です。同じ部品でも店によって数倍の差がつくので、相場の幅を知っておくと見積もりの判断がしやすくなります。

ブレーキキャリパーは6,600円から35,200円まで開く

もっとも依頼が多いのがブレーキキャリパーです。公開価格を並べると、三協ラジエーターが二輪車ブレーキキャリパー6,600円(税込)〜、ブラストガレージが8,800円(税込)〜、ネモトスポーツが下処理込みで約9,500円、スムースラインが18,700円(税込)〜、エースガレージは対向4POD 35,200円〜と、実に5倍以上の幅があります。この差の中身はほぼ下地処理とピストン数です。片押し1ポットの単純な形状と、対向6ポットの複雑な形状ではマスキングの手間がまったく違います。使いどころとしては、フルード漏れの跡で白く粉を吹いたキャリパーや、洗車のたびにブレーキダストが焼き付いて落ちなくなったキャリパーが対象です。注意点は、シールキットの交換を同時に行う必要があること。170℃で焼くのでゴム類はすべて抜くしかなく、外したシールは基本的に再使用しません。シールキットとフルード代を含めた総額で見積もると、実際は表示価格プラス5,000〜10,000円程度を見ておくと安心です。

ラジエター・オイルクーラーは16,500円から46,200円が目安

放熱目的で一番人気なのがラジエターです。ラジエター専門の三協ラジエーターはKG GUN-KOTE塗装をラジエター1個16,500円(税込)、左右2個で30,800円(税込)と明示しています。ネモトスポーツはオフロードバイクのツインタイプ左右で18,500円、エースガレージは普通自動車用ラジエターで46,200円〜という設定です。フィンが細かく倒れやすいラジエターは、ブラストの当て方ひとつでコアを潰してしまうため、慣れた店に出したい部品の代表格でもあります。シーンとしては、真夏の渋滞やサーキット走行で水温の上がり方が気になる人、あるいはレストアでコアの見た目を統一したい人が対象になります。注意したいのは、塗装で得られる水温の変化は条件次第で、明確な数値を約束できるものではないという点です。冷却系の各部が正常であることが前提の上乗せ効果と考え、まずはラジエターキャップやサーモスタット、クーラントの劣化を点検してから検討する順序をおすすめします。

エンジン一式は10,000円から151,800円、幅が大きい理由

エンジンまるごとの施工になると価格差はさらに開きます。エルオートはガンコートの施工価格を3,500円〜80,000円(税別)、うちエンジン一式で10,000〜80,000円(税別)と公開しています。一方エースガレージは4気筒以上のエンジンで151,800円〜、タペットカバー(4気筒以下)で33,000円〜という設定です。ここまで幅が出る理由は、剥離が必要か、ブラストの種類は何か、シリンダー内部やベアリング座など塗ってはいけない箇所のマスキングがどれだけあるか、という工数の違いに尽きます。参考までにブラストガレージのウエットブラスト単体価格を見ると、400cc4気筒のシリンダーヘッドが15,400円〜(税込)、4気筒クランクケースが19,800円〜(税込)で、下地だけで数万円かかることが分かります。使い方としては、腰上オーバーホールや全バラレストアのタイミングで同時に出すのが最も効率的です。逆に「エンジンを降ろさずに外観だけ」という依頼は焼き付け塗装では成立しません。

フォーク・ホイールなど足回りは1本単位で考える

足回りは本数と径で価格が決まります。ネモトスポーツはフォークアウターチューブ(正立フォーク左右)で16,500〜18,500円、17インチホイール前後で46,000円という価格を公開しています。スムースラインはフロントフォークアウターチューブ左右22,000円(税込)〜、エンジンヘッドカバー17,600円(税込)〜という設定です。フォークアウターは飛び石が集中する部位なので、9Hの硬度が最も分かりやすく効く場所と言えます。シーンとしては、高速道路を多用する人や未舗装林道に入る人ほどメリットが大きい部分です。注意点として、ホイールはガンコートよりパウダーコートを選ぶ店が多いことを知っておいてください。ホイールは曲げやたわみが入る部品で、厚みと柔軟性のあるパウダーコートのほうが割れにくいためです。ネモトスポーツのようにホイールもガンコートで受ける店もありますが、目的が放熱ではなく美観・防錆なら、パウダーコートの見積もりも並べて比べたほうが納得しやすいはずです。なお、クリアーコーティングを追加する場合は50%アップという設定もあるので、総額は事前に確認しておきましょう。

⚠️ 知っておきたい注意点

掲載した金額は各店が公開している参考価格です。実際の料金は「剥離の要否・下地の荒れ具合・部品サイズ・マスキング箇所の数」で変動し、多くの店が「〜」表記にしているのはこのためです。持ち込み前に写真を送って見積もりを取るのが、あとから金額が跳ね上がるのを防ぐ確実な方法です。

塗装の費用感をほかのパーツと比べたいときは、こちらもあわせてどうぞ。

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ガンコート施工店はどこにある?全国6店舗の所在地と得意分野

焼付釜を持っている店に限られるため、施工店の数はそれほど多くありません。ここでは公開情報が確認できた店舗を地域別にまとめます。料金・営業情報は各店の公開情報をもとにしたもので、依頼前に必ず直接ご確認ください。

茨城:ブラスト工程まで自社で完結する2店舗

関東北部で目立つのが茨城県常陸太田市の2店舗です。ブラストガレージはサンドブラストとウエットブラストの専門ガレージで、剥離からブラスト、空焼き、密着剤、ガンコート、170℃1時間以上の焼き付けまでを一貫して行っています。ガンコートはブレーキキャリパー8,800円(税込)〜、パウダーコートは400ccクラスフレーム49,500円(税込)〜という設定で、下地処理単体の依頼も受けています。ネモトスポーツは自動車板金塗装とオートバイのレーシングサービスを手がける会社で、ラジエーター(オフ車ツインタイプ左右)18,500円、ブレーキキャリパー約9,500円、ホイール(17インチ前後)46,000円と部品別の価格を公開しています。どちらも「膜が薄いので傷は隠せない」という前提を明示しているのが実務的です。旧車のエンジンやフレームをまとめて仕上げたい人は、ブラストの工賃も含めて相談すると全体像が見えます。

📍 株式会社ブラストガレージ
住所 〒313-0106 茨城県常陸太田市下利員町1129-1
電話番号 090-3479-7335
営業時間 9:00〜17:00
定休日 日曜・水曜
ガンコート料金 ブレーキキャリパー 8,800円(税込)〜
公式サイト 公式サイト
📍 株式会社ネモトスポーツ
住所 茨城県常陸太田市上土木内町352-1
電話番号 090-4070-3393
ガンコート料金 ラジエーター18,500円/キャリパー約9,500円/ホイール前後46,000円
公式サイト 公式サイト

神奈川:足回りとエンジンカバーに強いスムースライン

神奈川県海老名市のスムースラインは、パウダーコートとガンコートの両方を扱うパーツ塗装の専門店です。ガンコート(焼付アクリルウレタン塗装含む)はブレーキキャリパー18,700円(税込)〜、エンジンヘッドカバー17,600円(税込)〜、フロントフォークアウターチューブ左右22,000円(税込)〜という価格設定になっています。パウダーコート側も国産バイクフレーム66,000円(税込)〜、17インチホイール前後セット77,000円(税込)〜と公開しているので、「フレームはパウダー、エンジンとキャリパーはガンコート」という組み合わせをまとめて相談しやすいのが利点です。使いどころとしては、車体を降ろして一気に仕上げるフルレストアや、足回りだけ質感を揃えたいカスタムが向いています。注意点は、部品ごとに価格が細かく設定されているぶん、点数が増えると総額が読みにくくなること。依頼前にリストを作って一括で見積もりを取ると、優先順位をつけやすくなります。

📍 Smooth Line(スムースライン)
住所 神奈川県海老名市杉久保南4-6-10
電話番号 046-205-6929
営業時間 9:00〜18:00
ガンコート料金 キャリパー18,700円〜/ヘッドカバー17,600円〜(税込)
公式サイト 公式サイト

愛知・京都:ラジエター専門店と旧車専門店という選択肢

中部・関西では性格の異なる2店が参考になります。愛知県豊橋市の三協ラジエーターはラジエーターの修理・販売・製作の専門店で、KG GUN-KOTE放熱塗装をラジエター1個16,500円(税込)、左右2個30,800円(税込)、二輪車ブレーキキャリパー6,600円(税込)〜という価格で受けています。コアの構造を熟知した専門店に出せる安心感は、フィンが繊細な旧車のラジエターほど大きくなります。京都府八幡市のエルオートはZ系・CB系を中心とした旧車絶版車の専門店で、ガンコートを3,500円〜80,000円(税別)、エンジン一式10,000〜80,000円(税別)、パウダーコートを1,000円〜40,000円(税別)と幅広く公開しています。車両整備とセットで頼めるのが強みで、「エンジンを降ろす作業から塗装、組み付けまで」を一本の窓口で任せたい人に向いています。注意点は、どちらも部品の状態次第で金額が動くこと。事前に写真つきで相談するのが確実です。

📍 三協ラジエーター株式会社
住所 〒440-0081 愛知県豊橋市大村町字橋元102
電話番号 0532-53-4301
ガンコート料金 ラジエター1個16,500円/左右2個30,800円(税込)
公式サイト 公式サイト
📍 エルオート(旧車絶版バイク専門店)
住所 〒614-8075 京都府八幡市八幡三反長39-1
電話番号 075-982-2306
営業時間 10:00〜19:00
定休日 水曜・祝日
ガンコート料金 3,500円〜80,000円(税別)/エンジン一式10,000〜80,000円
公式サイト 公式サイト

福島・高知:地方でも自動車まで対応できる2店舗

東北と四国にも受け皿があります。福島県伊達市保原町のエースガレージは、ガンコートとセラコートを両方扱う特殊塗装の店です。ガンコートを耐熱温度200℃・硬度9H以上と説明した上で、タペットカバー(4気筒以下)33,000円〜、ラジエター(普通自動車)46,200円〜、ブレーキキャリパー(対向4POD)35,200円〜、エンジン(4気筒以上)151,800円〜と自動車も含めた価格を公開しています。ガンコートとセラコートを1軒で比較検討できるのは、迷っている段階では大きな利点です。高知県高知市のパウダー塗装.comは全国対応をうたうパウダー塗装・ガンコートの施工店で、バイクのエンジンやブレーキキャリパーの施工事例を多数公開しています。料金は部品ごとの見積もり制で、事例のなかには参考価格76,000円(税込)というものもあります。注意点として、遠方から送る場合は往復の送料と梱包の手間が加わるため、地元に選択肢があるならそちらも比較したいところです。

📍 Ace-Garage(エースガレージ)
住所 〒960-0636 福島県伊達市保原町字大和148-1
電話番号 024-575-1292
営業時間 10:00〜20:00
定休日 土曜日
ガンコート料金 タペットカバー33,000円〜/エンジン151,800円〜
公式サイト 公式サイト
📍 パウダー塗装.com
住所 〒780-8011 高知県高知市梅ノ辻5-27
電話番号 088-837-4519
営業時間 9:00〜18:00
定休日 日曜日
公式サイト 公式サイト

自分でも塗れる?DIY施工に必要な道具と総額シミュレーション

「塗料が買えるなら自分でやりたい」と考える人もいるはずです。結論としては小物なら現実的、大物は設備の壁があります。必要なものと金額を並べてみましょう。

塗料は500cc 8,030円から、1ガロン缶なら52,250円

塗料はカーベックの通販サイトCANETで一般にも購入できます。代表的なサテンブラック(#2401S)の価格は、500cc 8,030円、1000cc 13,860円、1ガロン 52,250円(いずれも税込)。メタリック系のガンメタルグレー(#2531)になると500cc 9,790円、1000cc 16,720円、1ガロン 63,800円と1割強高くなります。希釈不要の一液性なのでシンナーを別に買う必要がなく、缶を開けてそのままスプレーガンに入れられるのは扱いやすい点です。使いどころとしては、キャリパー1個やヘッドカバー1枚といった小物なら500cc缶で十分に足ります。注意点は、色選びをカタログ写真だけで決めないこと。メーカー自身がロットによる色ブレの可能性を明記しているので、330円のカラーサンプルを取り寄せて実物で確認するのが確実です。8,030円の塗料を買い直すより、330円を先に払うほうが安く済みます。

庫内サイズを見ずに焼付器を買うと、部品が入らない

DIYで最大の関門が焼き付け設備です。カーベックの小型焼付乾燥器CV-Juniorは税込20,350円(送料別)で、庫内寸法270×200-250×320mm、容量20L、最高温度MAX210±10℃、消費電力1200W、AC100V電源、重量5.5kg、タイマー10〜60分というスペックです。170℃を維持できるので条件は満たしますが、庫内が20Lしかありません。よくある失敗が「塗料を先に買い、いざ焼こうとしたらシリンダーヘッドが庫内に入らなかった」というパターンです。270×250×320mmという箱に何が入るかを、メジャーで実測してから道具をそろえるのが鉄則になります。目安として、ブレーキキャリパー、ヘッドカバー、ステップ、小物ブラケットあたりは入りますが、400cc以上のシリンダーヘッドやクランクケース、ラジエターは入りません。大物を焼くには業務用の釜が要るので、そこは素直に施工店に出すのが現実的な判断です。

🏍 スペック情報
商品名小型焼付乾燥器 CV-Junior(クラフトオーブン)
メーカーカーベック(CARVEK)
価格18,500円(税別)/20,350円(税込・送料別)
重量5.5kg
サイズ・仕様庫内270×200-250×320mm/外装345×260×480mm/20L
特徴MAX210±10℃/1200W/AC100V(50/60Hz)/タイマー10〜60分

スプレーガンとコンプレッサー、口径はφ0.4〜0.6mm

ガンコートはスプレーガンで吹く塗料なので、コンプレッサーとエアツールが必要です。メーカーが推奨する口径はφ0.4mm、実務ではφ0.4〜0.6mmが使われます。一般的な外装用の1.3mm前後のガンでは粒子が粗すぎて薄膜を作れないため、専用に小口径のガンを用意することになります。コンプレッサーは連続吐出量が確保できるものが望ましく、小型のオイルレスタイプだと途中で圧が落ちて塗りムラの原因になります。塗り方のコツは「薄く重ねる」の一点で、厚塗りは放熱性を落とすうえ、焼き付け時に膨れの原因にもなります。安定した膜厚を出すにはテストピースで練習し、コンスタントな厚みが出せるようになってから本番に移るのが定石です。注意点として、屋内で吹くなら換気と防毒マスクは必須です。焼き付け時にも臭気が出るので、住宅密集地でのDIYは近隣への配慮も考える必要があります。ここまでそろえる手間を考えると、キャリパー1個だけなら店に出したほうが安く済むケースも多いはずです。

K-PHOSとPL-80、揃えるかどうかで仕上がりが変わる

ガンコートには専用の補助剤が2種類あります。ひとつが下地処理剤のK-PHOS(39,000円・税別)で、鉄製パーツの密着安定剤として使うものです。もうひとつが硬化剤のPL-80(4,500円・税別)で、これを使うと80℃という低い温度での焼き付けが可能になります。170℃に耐えられない素材や、大きすぎて高温の釜に入れられない部品を扱う場合の選択肢です。個人でそろえるなら現実的なのはPL-80のほうで、K-PHOSは価格帯から見ても業務向けと考えたほうがいいでしょう。使い分けとしては、鉄のブラケットやステーを長く持たせたいならK-PHOSが効き、アルミの小物中心ならブラスト+脱脂だけでも実用になります。注意点は、補助剤を足すほど工程が増え、失敗ポイントも増えることです。初挑戦なら小さな鉄パーツで一通り試し、焼き上がりの色と密着を確認してから本命の部品に進むのが安全な進め方です。

依頼前に押さえたい注意点|分解・下地・色選びで損をしないために

最後に、実際に依頼するときにつまずきやすいポイントをまとめます。ここを知っているかどうかで、見積もりの精度も仕上がりも変わります。

樹脂とゴムは全部外す、これが持ち込みの最低条件

170℃で1時間以上焼くという工程上、熱に弱い部品が付いたままでは施工できません。ブレーキキャリパーならピストンシール・ダストシール・ブリーダーキャップ、エンジンならオイルシール・Oリング・ガスケット・ベアリング、フォークならインナーチューブ・オイルシール・ダストシールをすべて分離した状態が前提です。エンジンは基本的に全バラして清掃した状態で持ち込むよう案内している店が多く、分解を依頼すればその工賃が加算されます。またFRPやABS製の外装類はそもそも施工対象外です。使い方の面では、腰上や腰下のオーバーホール、フォークオイル交換、キャリパーオーバーホールといった「どうせバラす作業」と同じタイミングで出すのが最も無駄がありません。注意点として、分解時に部品を紛失すると再組み立てで詰まります。袋分けして写真を撮っておく、シールキットは事前に手配しておく、この2つを済ませてから外し始めるとスムーズです。

サビを残したまま塗ると、あとから浮いてくる

もうひとつよくあるのが下地の詰めが甘いパターンです。腐食が進んだアルミの白錆や、鉄部の点サビを完全に除去せずに塗ると、薄い塗膜では隠しきれないだけでなく、内部から腐食が進んで塗膜が浮く原因になります。「表面だけ軽くペーパーを当てて依頼したら、仕上がりでピット跡が全部見えてしまった」というのは典型的な失敗例です。対策はシンプルで、剥離とブラストを省かないこと。施工店が剥離→ブラスト→空焼き→密着剤という工程を標準にしているのはこの順序に意味があるからで、費用を抑えたいからと下地を自分で済ませて持ち込む場合も、ブラスト相当の処理まで到達しているかを店に確認したほうが確実です。ちなみにブラストにはサンドとウエットの2種類があり、アルミの梨地を残したいならウエットブラスト、鉄部の強力な除錆ならサンドブラストという使い分けが一般的です。仕上がりの質感イメージも、この段階で店と共有しておきましょう。

色は330円のサンプルで確定させてから発注する

色の決め方も見落とされがちなポイントです。ガンコートは70色以上あり、同じ黒でもサテン(半つや)とフラット(つや消し)で印象が変わります。加えてメーカーがロットによる若干の色差を明記しているため、モニター越しの色見本だけで決めると組み上げてからイメージ違いに気づく可能性があります。カーベックは330円のカラーサンプルを販売しているので、候補を2〜3色に絞ったらまず実物を取り寄せるのが確実です。使い分けの目安としては、放熱を優先するエンジンやラジエターは黒系、キャリパーやフォークなど見せる部品は好みの色、という組み合わせが扱いやすいでしょう。注意点は、複数の部品を別々のタイミングで施工すると色が微妙にずれる可能性があること。エンジンとキャリパーを揃えたいなら、同じ店に同じタイミングで出すのが安全です。ヘルメットやタンクの塗装と同様、色は最後まで悩む部分なので、先に実物で確定させるのが結局いちばん早い道になります。

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剥がせない塗装だから、やり直し前提で考えない

ガンコートの強みである耐薬品性は、そのまま「やり直しにくさ」でもあります。塗装剥離剤で落ちないので、色を変えたい場合はサンドブラストで物理的に削るしかありません。当然その工賃が別途かかり、部品によっては寸法や質感への影響も考える必要があります。だからこそ、色と艶の決定は慎重にしたいところです。あわせて考えたいのが施工の順番で、車体全体をやるならフレームのパウダーコート、エンジンとキャリパーのガンコート、マフラーのセラコートを同じ時期にまとめると、色味と質感のバランスを見ながら決められます。予算の都合で分けるなら、まずは効果が分かりやすいキャリパーやフォークから始め、次にエンジン、最後にフレームという順序が現実的です。使い方としては、車検やオーバーホールのタイミングに合わせて年単位で計画するのがおすすめです。急いで全部やろうとすると、下地の妥協が入りやすくなります。

Q. ガンコートを施工したパーツは、普段どう手入れすればいいですか?
A. 特別なケミカルは不要です。ガソリン・シンナー・ブレーキフルードに耐性があるため、通常のパーツクリーナーや中性洗剤で問題ありません。ただし硬い塗膜でも研磨には勝てないので、金属ブラシや粗いコンパウンドでこするのは避けてください。ブレーキダストは固着する前に水と柔らかいブラシで落とすのが、いちばん塗膜に優しい方法です。

まとめ|9Hの塗膜と放熱性をどう活かすかで選び方が決まる

🏍️ この記事の結論

ガンコートは見た目を整える塗装ではなく、硬さ・耐薬品性・放熱性という機能を足す塗装です。エンジンやラジエター、キャリパーに使ってこそ真価が出ます。

✅ 要点チェック
  • 正体:米国KG社製の一液性焼き付け塗料、代理店はカーベック
  • 焼付:170℃で1時間以上、樹脂・ゴムは全て外すのが前提
  • 性能:鉛筆硬度9H相当、フルードやアセトンでも溶けない
  • 料金:キャリパー6,600円〜、エンジン一式10,000〜151,800円
  • 使い分け:フレームはパウダー、マフラーはセラコートが基本
  • DIY:塗料500cc 8,030円+CV-Junior 20,350円から
  • 注意:剥離剤で落ちないため色選びは330円サンプルで確定を

ここまで見てきたとおり、ガンコートの評価軸は「きれいになるか」ではなく「何が良くなるか」です。鉛筆硬度9H相当の塗膜は飛び石の多いフォークアウターやラジエター前面で効き、ブレーキフルードにも溶けない耐薬品性はキャリパーやマスターシリンダー周りで効きます。そして熱を空気へ逃がす放熱性は、空冷シリンダーやラジエター、オイルクーラーといった熱交換部品でこそ意味を持ちます。逆に、傷を隠したい・厚く塗って質感を変えたいという目的ならパウダーコート、エキパイのように真っ赤に焼ける部位ならセラコートを選んだほうが満足度は高くなります。

料金の相場もつかめたはずです。ブレーキキャリパーは6,600円から35,200円、ラジエターは16,500円から46,200円、エンジン一式は10,000円から151,800円。この幅を生んでいるのは塗料代ではなく、剥離とブラストとマスキングという下地の工数です。だから見積もりを比べるときは、金額だけでなく「どこまでの工程が含まれているか」を必ず聞いてください。安い見積もりが下地を省いているだけなら、数年後に浮きや腐食という形で差が出ます。

最初の一歩としておすすめなのは、いきなりエンジン一式ではなく、ブレーキキャリパー1個を出してみることです。予算は1万円前後、シールキットを含めても2万円弱で済み、仕上がりの質感と店の仕事ぶりが具体的に分かります。そこで納得できたら、次のオーバーホールのタイミングでエンジンやフォークへ広げていけばいい。まずは近い施工店に、パーツの写真を添えて見積もりを依頼するところから始めてみてください。

※本記事の価格・スペック・営業情報は2026年7月時点で各社公式サイトおよび施工店の公開情報をもとに記載しています。最新情報は各公式サイトでご確認ください。

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この記事を書いた人

ヤマハSR400・XSRシリーズを中心に、バイクの魅力を発信するライダー。カスタム情報やツーリングスポット、メンテナンスのコツまで、バイクに乗る楽しさを共有しています。これからバイクを始めたい方にも役立つ情報をお届けします。

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