バイクに荷物を積みたい。でもリアボックスは見た目が変わりすぎるし、リュックを背負って走ると肩が痛くなる。そんなときに候補に挙がるのがサイドバッグですが、いざ探し始めると黒い合皮の似たような製品ばかりで、どれを選べばいいのか分からなくなります。
その中で「色で選べるサイドバッグ」として名前が挙がるのがアンブート(AMBOOT)です。結論から言うと、アンブートのサイドバッグは容量9Lから15Lまで4モデルあり、車体の大きさと「荷物が増える日があるかどうか」で選べば外しません。横長でマフラー側にも回せるMR、拡張して15LになるEX、幅27cmに絞ったHI、そしてシンプルな10Lの標準モデル。この4つの性格がはっきり違います。
この記事では、メーカーである大久保製作所の公式スペックをもとに4モデルの容量・サイズ・重量・価格を並べ、装着に必ず要るバッグサポートの話、レインカバーの限界、SR400やXSRに付けるときの注意点まで、買う前に知っておきたいことをまとめて整理します。
・アンブートのサイドバッグ4モデル(AB-SB01/EX/MR/HI)の容量・サイズ・価格の違い
・自分のバイクと荷物量に合うモデルの選び分け方
・装着に市販のバッグサポートが必要な理由と、SR400用サポートの実例
・雨と熱への備え、保管で失敗しないためのメーカー公式の注意点
アンブートのサイドバッグは何が違う?ブランドの成り立ちから見えること

色で選べるサイドバッグ、という珍しい立ち位置
アンブートのサイドバッグを一言で言うと「車体の色に合わせて選べるサイドバッグ」です。バイク用のサイドバッグは黒・こげ茶・ミリタリー系のカーキに偏りがちですが、アンブートはブラックやカーキに加えてアイボリー、イエロー、ライトブルー、ブラウンといった明るい色をラインナップに持っています。ブランドが掲げるテーマは公式サイトにある通り「かわいすぎず、かっこよすぎない」で、男女問わず使えるデザインに寄せた設計です。
この立ち位置が効くのは、車体自体に色がある人です。赤や水色のカブ系、アイボリーのタンクを載せたネオクラシック、白いXSRなどは、真っ黒なサイドバッグを付けると足元だけが重く沈んで見えます。同系色や差し色で拾えるアンブートは、こうした車体で選択肢になります。
注意点として、明るい色はそのぶん経年での変退色が目立ちます。メーカーも「紫外線及び照明などにより、通常のご使用でも若干の変退色は避けられません」と製品ページに明記しています。屋外保管でカバーもかけない環境なら、アイボリーやライトブルーより先にブラックやブラウンを検討したほうが後悔は少ないはずです。
本革ではなくPVCレザー、という素材の選択
アンブートのサイドバッグは本革ではありません。本体の材質はPVCレザーとポリエステルで、レインカバーはポリエステルです。本革のサイドバッグは味が出る反面、雨に濡らすと色落ちやシミが出るうえ、定期的なオイルケアが要ります。PVCレザーはそのケアが不要で、水や汚れに強いという扱いやすさが武器です。
実用面での差は日常使いに出ます。買い物帰りに濡れた野菜を放り込んでも拭けば済む、駐輪場でホコリをかぶっても水拭きできる、という気軽さは通勤・通学で毎日使う人ほど効いてきます。HIモデルでは、PVCレザーに加えて耐久性のあるオックス生地を組み合わせ、色落ちしにくくしたと公式が説明しています。
デメリットは質感と経年変化です。本革のように使い込んで飴色になることはなく、傷が入ればそこがそのまま残ります。またメーカーは「鋭利な突起物などでひっかいたりしないでください」「ガソリンやオイルが付着しないようご注意ください」とも注意しています。給油時にこぼしたガソリンが垂れる位置に付けている人は、拭き取りを習慣にしておきたいところです。
作っているのは兵庫の縫製メーカー
アンブートを展開しているのは株式会社大久保製作所(ヤママルト)です。兵庫県宍粟市に本社を置く、創業75年以上の自転車用品・二輪業務車用品メーカーで、ブランド名のAMBOOTはAMBER(繁栄)とREBOOT(再起動)を組み合わせた造語だと公式サイトで説明されています。
この背景が実物に効いているのは、縫製と金具まわりです。開閉に使われている「ひねり金具」はランドセルと同じ方式で、グローブをしたままでも片手でクルッと回して開けられます。ツーリング先で財布やスマホを出すたびにグローブを外す手間が省けるのは、実用上の差になります。バッグ内部には型崩れ防止の芯材が入り、荷物が少ない日でもぺしゃんこにならないよう作られています。
買うときの注意は流通経路です。大久保製作所は2026年4月14日付で、販売代理店以外で販売された商品については「商品に関するトラブルやお問い合わせにつきましては、弊社では対応いたしかねます」と告知しています。さらに2026年8月26日には、同社製品の画像を無断使用した詐欺サイトの存在も告知されました。公式が「明らかに販売価格が安い場合が多い」と特徴を挙げているので、相場から大きく外れた激安ページは避けて、公式サイトの取り扱い店舗一覧から購入先を選ぶのが安全です。
ランドセル式のひねり金具は「グローブのまま開けられる」だけでなく、ファスナーのように砂や埃を噛んで動かなくなることがないのも利点です。林道や砂利の駐車場を走る機会が多い人ほど、この構造のありがたみが分かります。
実は「完全防水」ではないとメーカー自身が書いている
意外と知られていませんが、アンブートのサイドバッグは完全防水ではありません。しかもそれを、販売しているメーカー自身が製品ページの使用上の注意にはっきり書いています。「本製品は縫製品です。完全防水ではありません。雨が予想される場合は、荷物をあらかじめ防水バッグなどに入れてからバッグの中に収納してください」「レインカバーを付けても雨が侵入してしまう場合がございます」という記載です。
これは弱点というより、正直な仕様表示だと捉えるべき部分です。サイドバッグの開口部はファスナーではなくフタを金具で留める構造なので、走行中に前から吹き込む雨は上から入ります。HIモデルの説明でも「バッグ本体にファスナーなどがないため、開口部から雨水が浸入する可能性があります」と明記されています。
だから運用側で対策します。財布・スマホ・モバイルバッテリー・着替えは、ジップロックか薄手の防水スタッフバッグに入れてから放り込む。これだけで雨天のリスクはほぼ消えます。逆に、走行中に必ず完全防水でなければ困る荷物(一眼レフやノートPC)を毎日運ぶなら、アンブートより防水ロールトップ系のバッグを選ぶほうが用途に合います。「見た目と扱いやすさを取り、防水は中身で担保する」というのが、このシリーズの正しい付き合い方です。
4モデルの容量と形をひと通り押さえる
標準のAB-SB01は10L、まず基準にしたい1本
迷ったときの基準になるのが標準モデルのAMBOOTサイドバッグ AB-SB01です。容量はおよそ10L、サイズはH300×W370×D110(mm)、重量はおよそ1.4kg。公式サイトの目安価格は14,762円で、シリーズのサイドバッグでは最も手が届きやすい位置にいます。A4ファイルがすっぽり収まるサイズなので、書類を持ち歩く通勤や、学校帰りの荷物を放り込む使い方に向いています。
付属品は本体・取り付けベルト2本・取り付けコード2本・雨除けレインカバーで、内ポケットが2か所、持ち運び用の持ち手も付いています。バイクから外してそのまま手提げとして持ち歩けるので、コンビニやスーパーに寄ったときにバッグごと持って入れるのは日常使いでの利点です。裏面には止水テープ、底面には水抜き穴も設けられています。
注意したいのは積める重さです。メーカーは「5kg以上の荷物を入れないでください」と明記しています。10Lという数字だけ見て工具や缶飲料を詰め込むと、この上限は簡単に超えます。またカラーについては、公式サイトに「イエロー以外は、廃色となっております」との掲示があり、各種サイドバッグ・ツールバッグのレッドは生地手配の都合で生産終了、一部カラーは流通在庫のみの販売です。色にこだわりがあるなら、在庫があるうちに動くのが現実的です。
荷物が増える日があるならAB-SBEX01の10L→15L
ツーリングで帰りに荷物が増えるタイプの人に合うのがAMBOOTサイドバッグEX AB-SBEX01です。容量は約10L~15Lで、側面のファスナーをU字に開くとマチが広がって15Lになります。サイズはH300×W370×D110~170(mm)、重量はおよそ1.5kg(付属品含む)、公式の目安価格は17,710円です。
この拡張機構が効くのは、行きと帰りで荷物量が変わる場面です。日帰りツーリングで道の駅の土産を買う、キャンプ場から帰るときに濡れたタオルや衣類がかさばる、バイク用品店で小物を買って帰る。行きはマチを閉じてスッキリした見た目のまま走り、必要になったときだけ広げられるので、常時15Lのバッグを付けっぱなしにするより車体のシルエットが崩れません。
カラーはブラック、カーキ、アイボリー、イエロー、レッド、ライトブルー、ブラウンの展開で、内ポケットは2か所、持ち手とレインカバーが付きます。デメリットは、拡張したときに車体からの張り出しが増えることです。公式の取り付け説明にも「拡張して使用する場合は、ベルト穴の位置を調節してからご使用ください」とあり、広げたまま固定を見直さずに走ると、バッグが揺れてタイヤ側に寄る原因になります。広げたら必ずベルトを締め直す、と決めておくのが安全です。
横長でスマートに見せたいならAB-SBMR01の9L
見た目の収まりを優先したい人に向くのがAMBOOTサイドバッグMR AB-SBMR01です。容量は約9Lとシリーズで最も小さく、サイズはW370×H220×D140(mm)。高さを220mmに抑えた横長の形で、リアショックやウインカーとの干渉を避けやすいのが特徴です。重量は約1.4kg(付属品含む)、公式の目安価格は16,764円です。
このモデルの実用上の強みは、ショルダーベルトが1本付属することです。バイクを降りたあと肩掛けバッグとして持ち歩けるので、日帰りツーリングの立ち寄り先や、通勤でオフィスまで持ち込むといった使い方がしやすくなります。標準モデルの「持ち手」より、歩く距離が長い人には現実的です。
もうひとつ、公式が「マフラー側にも対応可能」と説明している点も見逃せません。他のモデルはマフラーとの接触を避けるため左側装着が原則ですが、MRは形状の都合で右側の選択肢が出てきます。ただし奥行が140mmと標準モデルより厚いため、容量の数字ほど「薄い」わけではありません。デメリットは絶対容量の小ささで、ヘルメットやレインウェア上下をまとめて入れるような使い方には足りません。あくまで財布・工具・薄手の上着クラスの積載と考えたほうがいいでしょう。
小型バイク向けに幅を詰めたAB-SBHI01
カブ系やモンキー、ダックスのような小さい車体で「サイドバッグが大きすぎる」と感じていた人に向けて出たのがAMBOOTサイドバッグHI AB-SBHI01です。公式サイトはEXの幅37cmに対してHIは幅27cmと明記しており、横幅を詰めた縦型に振ったモデルだと分かります。容量は通常時8.5Lから、ファスナーをU字に開くと13Lまで拡張します。
本体サイズは約H34×W27×D12~18(cm)、重量は約1.5kg(付属品含む)。前面には小物ポケットが2つ、側面にはベルトループが付いていて、携行缶ホルダーなどを引っ掛けられる作りです(携行缶ホルダーは別売)。車検証が入るファスナー付きポケット、撥水加工を施した水抜き穴付きのレインカバーも付属します。付属品はレインカバー・バッグ固定コード2本・バッグ固定ベルト2本(40cm)です。
横幅が狭いことは、小型車以外にもメリットがあります。すり抜けや駐輪場での取り回しで、車体幅から出っ張る量が減るからです。一方で注意点として、このモデルは公式製品ページに目安価格の記載がありません。販売店ごとに価格が開いている可能性があるので、購入前に公式サイトの取り扱い店舗一覧から複数の正規店を見比べておくと安心です。カラーはディープレッド、イエロー、ライトブルー、アイボリー、ブラック、ブラウンの展開です。
クラシック寄りの車体に合う質感で他ブランドも含めて見比べたい人は、こちらの比較も参考になります。

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価格と重さを並べて見えてくる、失敗しない選び方

4モデルのスペックを1枚の表にすると
数字を横に並べると、それぞれの立ち位置がはっきりします。以下は各製品の公式ページに掲載されているスペックを、バイク乗りのミーティングで1枚にまとめたものです。
| 比較項目 | AB-SB01 | AB-SBEX01 | AB-SBMR01 | AB-SBHI01 |
|---|---|---|---|---|
| 容量 | およそ10L | 約10L~15L | 約9L | 8.5L→13L |
| サイズ | H300×W370×D110(mm) | H300×W370×D110~170(mm) | W370×H220×D140(mm) | 約H34×W27×D12~18(cm) |
| 重量 | およそ1.4kg | およそ1.5kg | 約1.4kg | 約1.5kg |
| 公式の目安価格 | 14,762円 | 17,710円 | 16,764円 | 記載なし |
| 拡張機構 | なし | あり | なし | あり |
| ショルダーベルト | なし(持ち手) | なし(持ち手) | 1本付属 | 記載なし |
※スペックは各製品の公式ページ掲載値をもとにバイク乗りのミーティングでまとめたものです。
2025年9月の価格改定で何が起きたか
価格を調べていて気付くのが、モデル間の価格差が容量の差と素直に対応していない点です。理由のひとつが価格改定です。大久保製作所は2025年9月1日付で、AB-SBMR01とAB-SBEX01のメーカー希望小売価格を改定しています。改定後の税込価格はMRが16,764円、EXが17,710円です。
つまり、容量が最も小さい9LのMRが、10Lの標準モデルより高い価格に位置しているのは、単純な容量差ではなくショルダーベルトの付属や横長形状といった仕様と、改定のタイミングによるものです。「小さいほうが安いはず」という前提で選ぶと、価格表を見て戸惑うことになります。
実用面での使い分けとしては、価格を抑えて容量を確保したいなら標準のAB-SB01、降りたあとに肩掛けで持ち歩きたいならAB-SBMR01、荷物量の振れ幅に備えたいならAB-SBEX01、という整理になります。なお、ネット上には改定前の価格を掲載したままのページも残っています。購入時は公式サイトの製品ページで現在の目安価格を確認してから比較するのが確実です。
読者タイプ別、どれを選ぶと後悔しないか
使い方から逆算すると選択は絞れます。通勤・通学でA4書類やタブレットを毎日運ぶ人は、容量およそ10Lで開口部が大きい標準のAB-SB01が素直です。バイクから外して持ち手で運べるので、駐輪場からオフィスまでの移動もそのままいけます。
日帰りツーリング中心で、土産や上着が増える日がある人はAB-SBEX01です。普段は10Lのシルエットで走り、必要な日だけ15Lに広げる運用ができます。逆に、荷物量がいつもほぼ一定で、車体を大きく見せたくない人はAB-SBMR01の横長9Lが収まります。カブ系や125ccクラスなど、そもそも車体が小さくて標準サイズが大きすぎた人にはAB-SBHI01の幅27cmが答えになります。
注意点として、どのモデルを選んでも「サイドバッグだけで積載が完結する」わけではない点は押さえておいてください。ヘルメットをもう1個運ぶ、テントとシュラフを積むといった用途はサイドバッグの守備範囲外です。その場合はシートバッグやリヤボックスとの併用が前提になります。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 車体色に合わせて選べるカラー展開 グローブのまま開けられるひねり金具 PVCレザーで水拭きできる手入れの楽さ 持ち手やショルダーベルトで降車後も使える | 完全防水ではなく開口部から雨が入りうる 装着に市販のバッグサポートが別途必要 明るい色は変退色が目立ちやすい 標準モデルは5kg以上の積載が不可 |
取り付けにバッグサポートが要る理由と、選び方の基準
バッグサポートなしでは付けられない、が正しい理解
ここを見落とすと買ってから固まります。アンブートのサイドバッグは、公式の取り付け方法に「本製品を使用するには、市販のバッグサポートが必要です」と明記されています。バッグ本体だけを買っても装着は完結しません。
取り付け方法は、上部の取り付けベルト2か所、下部の取り付けコード2か所で固定し、裏面中央部にある黒い帯にバッグサポートを差し込むことでより安定する、という構造です。この黒い帯がサポートを受ける部分で、ここに板状のサポートが入ることでバッグが後輪側に倒れ込むのを防いでいます。
サポートが要る理由は安全そのものです。バッグをベルトだけで吊ると、走行中の揺れや減速時の慣性でバッグが内側に振られ、回転している後輪に接触します。メーカーも注意書きで「そのまま放置して走行すると、バッグやベルトが車輪に巻き込まれたり、後続車の損傷の原因となる恐れがあり大変危険です」と警告しています。バッグ代とは別に、サポート分の予算を最初から見込んでおくべきです。
サイドバッグ本体だけを注文して届いた日に取り付けようとすると、バッグサポートがなくて装着できません。車種専用サポートは取り寄せになることも多いので、バッグと同時に手配しておくと週末をムダにせずに済みます。
車種専用サポートの実例:SR400用は4,620円から
バッグサポートは車種専用設計のものを選ぶのが基本です。たとえばキジマのバッグサポート クロームメッキ SR400/500 左側用は品番210-461、価格は4,620円(税込)で、材質はスチールのクロームメッキ仕上げ、装着用ネジ間ピッチは260mmです。セット内容は左側のみで、キジマは「サイドバッグ装着時に、ホイールへの巻き込みリスク軽減に効果的」と説明しています。
車種専用を勧める理由は、取り付け位置の精度です。汎用ステーはリアサスやフェンダーの形状によって浮いたり傾いたりしますが、専用設計はネジ穴のピッチが合っているので、追加加工なしで所定の位置に収まります。SR400のように定番車種は選択肢が多く、左右それぞれの品番が用意されています。
注意点は、サポートの形状によってはアンブート側が付かない場合があることです。公式の注意書きに「特殊な形状のバッグサポートの場合、取り付けができない場合がございます」とある通りで、極端に細いパイプ状のものや、面ではなく1本の棒で受けるタイプは裏面の黒い帯に入りません。板状で面を作れるタイプを選ぶのが無難です。
左側装着が原則になる理由
アンブートのサイドバッグは、公式が「マフラーとの接触を防ぐため、左側に装着してください」と指定しています。国内のバイクは右側にマフラーが出るレイアウトが多く、右に付けるとバッグがエキパイやサイレンサーに触れる可能性があるためです。
この指定を守るべき理由は、素材の性質にあります。PVCレザーは熱に弱く、メーカーも「製品がエンジンやマフラー等の高温部分に接触すると、溶ける恐れがあります」と注意しています。走行直後のサイレンサーは素手で触れない温度になるので、少し触れただけでも表面が変形します。
例外はAB-SBMR01で、公式が「マフラー側にも対応可能」と説明しています。とはいえ、これは形状的に逃げやすいという意味であって、どんな車種でも右側に付けられる保証ではありません。右側に付けたい場合は、実際にサポートを取り付けた状態でバッグとサイレンサーのクリアランスを目視し、指が入る程度の隙間があるか確認してから走り出すべきです。
失敗パターン:ベルトの余りを処理せずに走り出す
取り付けでいちばん多い失敗が、余ったベルトやコードをそのままにして走ることです。アンブートの取り付けは上部にベルト2本、下部にコード2本を使いますが、車種によっては長さが余ります。この余りが垂れたまま走ると、風で暴れて後輪やチェーンに近づき、最悪の場合そのまま巻き込まれます。
原因は単純で、初回の装着時に「とりあえず留まったからいいだろう」と余長を放置してしまうことです。メーカーも「取り付けベルトや取り付けコードの余った部分がタイヤに巻き込まれることがないよう注意して固定してください」と明記しています。
対策は、余った部分を折り返してベルトの内側に通し、結束バンドかベルクロバンドで固定してしまうことです。長すぎる場合はカットして端を軽く炙って処理する方法もありますが、切ると長さの調整幅がなくなるので、まずは巻き込んで留める方法から試すのが安全です。そして走り出す前に、上下4点の固定を手で引っ張って緩みがないか確認する。この一手間を習慣にしておけば、ほとんどのトラブルは起きません。
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雨・熱・保管でつまずかないための備え

レインカバーは「あれば安心」だが万能ではない
アンブートのサイドバッグには全モデルに雨除けレインカバーが付属します。HIモデルでは撥水加工を施し、水抜き穴も設けたカバーが付きます。急な雨に降られたときに、路肩でサッとかぶせられるのは実用的です。
ただし前述の通り、メーカー自身が「レインカバーを付けても雨が侵入してしまう場合がございます」と書いています。カバーは基本的に上からかぶせる構造なので、高速走行時の風圧でめくれたり、位置がずれたりすれば、その隙間から水が入ります。長時間の豪雨では、カバーの内側に水が溜まることもあります。
現実的な運用は、レインカバーを「泥はねと弱い雨を止めるもの」と割り切ることです。本降りが予想される日は、中身を防水スタッフバッグに入れたうえでレインカバーをかける二段構えにする。ツーリング前夜に雨予報を見たら、ジップロックを2〜3枚バッグに放り込んでおくだけでも心の余裕が違います。
失敗パターン:レインカバーのサイズを間違えて注文する
意外な落とし穴が補修用レインカバーの注文です。大久保製作所は公式サイトで「【注意】レインカバーにはサイズが2種類ございます。ご注文時にはお間違えの無いようご注意ください」と告知しています。サイドバッグは4モデルあり、標準・EXとHIでは本体サイズが違うので、同じ「AMBOOTのレインカバー」でも合わないものが存在します。
原因は、型番を確認せずに商品名だけで判断してしまうことです。レインカバーは風で飛ばしたり、経年で劣化したりして買い足すことがある部品なので、この取り違えは珍しくありません。届いてから「小さくてかぶらない」「ぶかぶかで風にめくれる」となると、送料をかけて交換する羽目になります。
対策は、注文前に自分のバッグの品番(AB-SB01/AB-SBEX01/AB-SBMR01/AB-SBHI01)を控えて、対応サイズを販売店に確認することです。バッグの購入時に予備を1枚買っておくのも手ですが、その場合も品番を伝えて発注してください。バッグ本体の裏側や取扱説明書に品番が記載されているので、購入時の箱や説明書は捨てずに残しておくのがおすすめです。
つけっぱなし・雨ざらしが寿命を縮める
アンブートの使用上の注意には、保管についても具体的な記載があります。「本体バッグ、レインカバーともに、雨ざらしや直射日光の当たる場所での保管、駐車は退色や変形など劣化の原因になります。また、長期間つけっぱなしでのご使用はお避け下さい」というものです。
屋外保管で毎日つけっぱなしにしていると、紫外線でPVCレザーの表面が硬くなり、色が抜け、ひび割れの起点ができます。明るい色ほど退色は目立ちます。ここは本革のサイドバッグと共通する弱点で、素材が変わっても「屋外に置きっぱなしは劣化する」という原則は変わりません。
対策は、使わない日は外して室内に取り込むこと、屋外保管ならバイクカバーをかけることの2つです。取り外しはベルト2本とコード2本を外すだけなので、慣れれば手間はかかりません。またメーカーは「経年による部品や生地の劣化が見られましたら、新しい製品にお取替えください」とも書いています。金具や縫製部にほつれ・サビが出たら、走行中に外れる前に交換を検討してください。
SR400やXSRに付けるときの現実的なポイント
SR400なら定番の組み合わせが作りやすい
SR400は縦に細いシートと露出したリアフェンダー、独立したリアショックという構成なので、サイドバッグとの相性がいい車種です。前述のキジマ210-461のように車種専用のバッグサポートが左右それぞれ用意されていて、価格は4,620円(税込)。装着用ネジ間ピッチ260mmで所定の位置に収まります。
組み合わせとしては、車体色に合わせた選び方がしやすいのがSRの利点です。黒基調のSRならブラックかブラウン、シルバータンクの年式ならアイボリー、といった具合に足元の色を決められます。カフェレーサー方向にまとめている車体なら、横長で高さを抑えたAB-SBMR01のほうがシルエットを崩しません。
注意点は、シングルシート化やフェンダーレス化をしている車体です。サポートの取り付け位置になるリアフェンダーステーやショック上部のボルトが移設・撤去されていると、車種専用サポートでもそのまま付かないことがあります。カスタム済みの車体では、サポートを買う前に取り付け穴が生きているかを実車で確認してください。
XSRシリーズはサポートの選定がカギ
XSR700やXSR900のようなネオクラシック系は、リア周りがカバーで覆われていたり、リアショックがモノショックだったりするため、SRほど単純にはいきません。この場合も基本は車種専用のサイドバッグサポートを探すことになります。汎用ステーを無理に付けると、バッグの荷重がウインカーやテールカウルにかかって割れの原因になります。
アンブート側の相性で言えば、XSRのようにテール周りが短い車体には、幅27cmのAB-SBHI01が収まりやすい選択肢です。縦型で横幅を抑えているぶん、車体からの張り出しが少なく、リアビューがすっきりします。逆に、長距離で荷物量が変わる使い方をするならAB-SBEX01を選び、拡張時のクリアランスを事前に確認しておくのが現実的です。
気を付けたいのは排気系のレイアウトです。XSR900GPやXSR900は車体下部にサイレンサーが回るモデルもあり、左側装着でも熱源に近づく可能性があります。装着後にしばらく走ってから、バッグの下側を手で触って熱を持っていないか確かめてください。熱を感じるようなら、サポートの取り付け位置を上げるか、耐熱シートで遮る対策が要ります。
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積載の法律は「はみ出し」の数字を覚えておく
サイドバッグを付けるうえで押さえておきたいのが積載の制限です。道路交通法施行令第22条では、大型自動二輪車および普通自動二輪車について、積載物の重量は60kgまで、長さは乗車装置または積載装置の長さに0.3メートルを加えたもの、幅は乗車装置または積載装置の幅に0.3メートルを加えたもの、高さは2メートルから積載をする場所の高さを減じたもの、と定められています。
さらに積載方法として、積載物は乗車装置または積載装置の前後から0.3メートル、左右から0.15メートルを超えてはみ出さないこと、とされています。サイドバッグで現実的に関わるのはこの左右0.15メートルの規定です。片側だけに厚みのあるバッグを付ける場合、キャリアやシートの端からの張り出しがこの範囲に収まっているかが判断基準になります。
アンブートのサイドバッグは奥行が110mmから170mm程度なので、通常の装着では問題になりにくい寸法です。ただしEXやHIを拡張した状態で、さらにバッグの外側にベルトループを使って携行缶ホルダーなどを吊り下げると、張り出しが増えます。拡張機構を使うときは、車体側から測ってどこまで出ているかを一度確認しておくと安心です。
左右のはみ出し制限は「車体の幅から」ではなく、乗車装置または積載装置の左右から0.15メートルという基準です。キャリアを付けているかどうかで基準になる位置が変わるので、自分の車体で何が積載装置に当たるのかを把握したうえで測ってください。
アンブートのサイドバッグと組み合わせたい積載アイテム
もう少し積みたいならシートバッグ11Lを足す
サイドバッグ1個では足りない日に有効なのがAMBOOTシートバッグ AB-STBG01です。容量は約11L、サイズは(約)H230×W360×D210mm、重量は約1.8kg、公式の目安価格は19,800円。同じブランドなので色を揃えられ、車体のまとまりが崩れません。
装着は4つのバックルで留める方式で、横向き・縦向きどちらでも付けられます。内ポケット・外ポケットに加えて盗難防止のロック穴も備えているので、道の駅で少し離れるときにワイヤーロックを通せます。レインカバーも付属します。
使い分けとしては、日帰りツーリングでサイドバッグに雨具と工具、シートバッグに着替えと土産、という分担が組みやすくなります。注意点は重心です。シートバッグは高い位置に荷物を載せるので、重いものを上に積むと車体がふらつきます。重量物はサイドバッグ側に、かさばる軽いものをシートバッグに、という原則を守ると走りが安定します。
キャンプまで視野に入れるならリヤボックスEX 45L
積載量を一気に増やしたいならAMBOOTリヤボックスEX AB-RBEX01です。容量は約45L、サイズはH350×W440×D350mm、重量は約5.9kg、公式の目安価格は28,545円。レインカバー、仕切り板、内ポケットが付き、使わないときは折りたたんで収納できる構造です。
45Lという容量は、ヘルメット1個に加えてキャンプ道具の一部を収めるクラスです。サイドバッグと併用すれば、日帰りからキャンプツーリングまで守備範囲が広がります。素材が同じPVCレザー系なので、アンブートのサイドバッグと並べても質感が揃うのが強みです。
デメリットははっきりしています。約5.9kgという重量は、荷物を入れる前の数字です。空の状態でこの重さが常時リアに乗るので、取り回しや低速でのバランスに影響します。またリアの高い位置に大きな箱を載せると横風の影響も受けます。普段は外しておき、キャンプに行く日だけ装着する運用が現実的です。
小物の置き場を作るツールバッグとレッグバッグ
サイドバッグを付けると、逆に「小物をすぐ出したい」問題が出てきます。走行中に取り出せない位置にあるからです。ここを埋めるのがAMBOOTツールバッグ AB-TOOL01とAMBOOTレッグバッグ AB-LG01です。
ツールバッグは容量約2.3L、サイズH135×W305×D135(mm)、重量約0.7kg、公式の目安価格は8,690円。ランドセル式のひねり金具と、荷物の落下を防ぐ2重のフタを備えています。工具や予備のグローブ、パンク修理キットを常設しておく箱として使えます。
レッグバッグ AB-LG01は容量約1.3L、本体サイズは約H23×W26×D5(cm)、重量は約0.45kg(付属品含む)。長財布が縦に入る大きさで、腰ベルト装着とベルトループ装着の2通りに対応し、左右どちらにも付けられます。体との接地面はメッシュ生地、水抜き穴付きです。市場での販売価格は7,920円程度で流通しています(時期により変動します)。財布やスマホを身につけておけば、コンビニでバッグを開ける手間が消えます。注意点は容量で、これ1つで積載をまかなうことはできません。あくまでサイドバッグの補助として考えてください。
まとめ:アンブートのサイドバッグは容量と拡張機構で選ぶ
まずやることは1つ、自分の車体に合うバッグサポートが手に入るかを先に調べることです。SR400のように専用品が揃っている車種なら話は早く、キジマの210-461のような品番を押さえればバッグと同時に注文できます。専用品が見つからない車種なら、板状で面を作れる汎用サポートを探すところから始めてください。サポートの当てがついてはじめて、どのモデルの色にするかを楽しく悩めます。
※価格・仕様は変更される場合があります。最新情報は各メーカーの公式サイトでご確認ください。

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